怒りどころ ページ10
「でも、XANXUS様には少しがっかりしたわ」
「あら、なんで？」
その話題に、扉にもたれていた私は徐に目を開いた。
「だって、あんな小娘を婚約者の座から正式に退ける力も今じゃないってことでしょ。
やっぱり私はXANXUS様より綱吉様がいいわ」
主「…。」
扉を開けようとピクッと動く手を、すんでのところで理性が止めた。
それは、XANXUSが聞いていたなら確実にこの階ごとかっ消していたであろう言葉。
触れてはいけないXANXUSの逆鱗。
何も知らない外野の彼女たちは、好き勝手な立場でボンゴレ首領たちの値踏みを始める。
「ダメよ。綱吉様にはもう結婚を決められた
中学時代からのお相手がいらっしゃるのだから」
「でもXANXUS様よりは幅が効くし、何よりお強いのでしょう？
あーあ、2番目の女でもいいから娶ってくれないかしら」
…そしてその女は、何より私が聞きたくない女を口にした。
主「…何が2番目よ」
溢れた怒りが声になって、彼女たちの会話を止めた。
「なに？」
「誰か何か言った？」
バンッ！と扉を開けて飛び出して、茫然としている女たちの中、驚いた顔をしているブロンドに一直線に向かって…その頬を叩いた。
破裂音にも似た打撃に手のひらが痺れる。
とっさの痛みに目をつぶりながらブロンドは廊下に崩れ落ちて
周りの女性たちは慌てた様子で私を羽交い締めにした。
「な、なに…っ！？
！…あんた！自称 許嫁オンナ！」
私に気づいたブロンドは、失礼な呼び名をつけながらすぐに立ち上がって私を睨みつけた。
どこかで嗅いだような女物の香水の匂いが鼻につく。
今朝、XANXUSから薫ったその香りに
私はさらなる怒りを燃やした。
主「…つく…」
「はぁ！？」
主「…ムカつくって、言ったのよ」
焦げつくような怒りが胸の底から湧いてくる。
彼女たちを消してしまいたい殺人衝動に駆られながらも、一瞬の理性がそれを抑えて、口から紡ぐ言葉に変えた。
主「XANXUSの一夜限りの戯れに夢を抱くのは結構。でも、XANXUSをこき下ろしたその口で、彼に選ばれたいなどとほざくのはやめて。
…その趣味の悪い香水の匂いと相まって、吐き気がするわ。」
香水ごとバカにされた女は一瞬顔を赤くすると、その目に私とは別種の怒りを灯した。
それは恥辱に対する怒りだ。
「…この、行き遅れ女！！」
主「！」
押さえ込まれている私の頬に容赦なくブロンドの平手が当たり、その音は大きく通路に響いた。
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ラスク - 面白いですね！やっぱりらっくさんの作品大好きです！更新楽しみ♪ (2019年2月17日 13時) (
レス) id: e26ee02319 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - はやさん» 明けましておめでとうございます！七日までなるべく連続更新していきますので、どうぞお楽しみに。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: d35425f297 (このIDを非表示/違反報告)
はや(プロフ) - 楽しみにしてます (2018年12月28日 2時) (レス) id: 2b1ff889bd (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» お久しぶりです！お名前変えられたんですね。こちらなかなか更新ができず申し訳ありません…できれば残りの夏休み中は更新続けていきたいと思います！ (2018年8月12日 17時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - 一気更新嬉しいです…寝ずに待っていた甲斐があった…。 (2018年8月12日 5時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年6月30日 16時
