鮫の温度 ページ5
スク「…お前の考えることは昔からわからねぇな」
珍しく乱痴気騒ぎに混ざらないスクアーロが隣に立った。
私は時折こちらに向かってくる炎の流れ弾を器用に避けて、何が？と視線を送る。
それに答えるようにスクアーロは話を続けた。
スク「お前は1番が好きなんだろ。
なら、なぜXANXUSを1番に押し上げようとしねえ。それとも、もう数字になんざ興味はねえのか」
サラリと溢れるように動いた長い銀髪。
それを見て思い出すのは、スクアーロの義手の冷たさと硬さ。
私が同盟ファミリーを代表して、XANXUSを10代目候補から取り外す提案をした時
彼は10年以上付き合いのあった私を
初めて、その手で叩いた。
『剣で斬ってやる気にもならねえ』
その軽蔑の言葉の温度を、私はまだ覚えている。…忘れてはいけないと思っている。
主「…私はまだ2の呪いから逃げれていないの」
同盟ファミリー内での地位はキャッバローネとほぼ同等とは言え、実質の2番手。
女だからとマフィアの家督を継がせてもらえず、ようやく得られたのは父の秘書としてのNo.2の地位。
主「私が1番欲しいのはXANXUSだけ。
私の呪いを解けるのはきっとXANXUSだけ。
だから、私は彼を引き剥がすのよ」
スク「…相変わらず意味不明だな。
1番のものが欲しいと言いながら、XANXUSを1番から引きずり落とす。
…昔からお前は邪魔ばっかじゃねえか」
主「あら、そうかしら？
私、XANXUSに頼まれたことはちゃんとしてきたつもりだわ」
スク「ああ？ボスさんがお前に何か頼んだことなんかあるかぁ？」
主「ええ、例えば…『俺が
ニッコリ笑ってそう言えば、一瞬の眼差しに憐れみが入る。
スク「…あいつは一生誰とも添い遂げねえ。
あいつが本質として持つ怒りは、そういうもんだ」
主「なら、その怒りを消すために従事するわ。
…正反対ね。
私たちやっぱり、意見が合わないのよ」
XANXUSの怒りに惚れた男と、怒りを消そうとする女。私たちはいつもそうだ。
XANXUSに惹かれあっているのは同じなのに、どこまでも協力しきれない。
主「貴方がまっすぐ彼に付き随うなら、私は搦めとるように反抗するのよ。」
それだけ言って、私は観戦に飽きたように手を振りながらその部屋をあとにした。
スク「…哀れな女め。」
(…だからこそ憎みきれねーんだろうが)
好敵手である銀髪の男は、憐憫の目を私の背中に向けた。
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ラスク - 面白いですね！やっぱりらっくさんの作品大好きです！更新楽しみ♪ (2019年2月17日 13時) (
レス) id: e26ee02319 (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - はやさん» 明けましておめでとうございます！七日までなるべく連続更新していきますので、どうぞお楽しみに。 (2019年1月2日 19時) (レス) id: d35425f297 (このIDを非表示/違反報告)
はや(プロフ) - 楽しみにしてます (2018年12月28日 2時) (レス) id: 2b1ff889bd (このIDを非表示/違反報告)
らっく(プロフ) - ゆっくりノワールクローンNo.1さん» お久しぶりです！お名前変えられたんですね。こちらなかなか更新ができず申し訳ありません…できれば残りの夏休み中は更新続けていきたいと思います！ (2018年8月12日 17時) (レス) id: b617ebd231 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりノワールクローンNo.1(プロフ) - 一気更新嬉しいです…寝ずに待っていた甲斐があった…。 (2018年8月12日 5時) (レス) id: a2e5a81f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年6月30日 16時
