scratch*3 ページ3
優と共に登校しながら思い返す。
二人で学校に行くのも、もう何年目だろうか。
私は優と、数えきれないほどの年月を過ごしてきた。
そうすると、嫌でも考えてしまう。
優は私のことをどう思っているのだろうか。
もしかして、私と同じ感情を抱いていてくれたりしないかな。
…だなんて。
そんな淡い期待を持ち続けている。
隣に立つ優を見ると、
私と同じくらいだった背丈は私よりももうすっかり一回りも二回りも大きくなっていて、
少し寝癖のついた髪の毛を気にしていじっている。
…ほんとうに、かっこいいな。
でもきっと、私のことを“異性”として認識してくれたことはないんだろうな。
それが悲しくもあり、
…また、それが嬉しくもあって。
どんな形でもいいから、今のようにずっと優の隣にいたいと願っている。
“優の隣にいる”ことに意味があるのか、“優の彼女になる”ことに意味があるのか。
答えなんて簡単なのに、出すのを恐れて先伸ばしにしている。
変化することを望まない私。
…そんな私を嘲るかのように、
少し強い、秋の風が吹いた。
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ななは(プロフ) - 夢坂鋳柘@坂田家さん» コメントありがとうございます!儚くて綺麗、なんていう誉め言葉は光栄すぎて… (2017年11月5日 22時) (レス) id: 5ee20547d7 (このIDを非表示/違反報告)
夢坂鋳柘@坂田家 - うぅ.切ない…こんなにも.儚くて.綺麗な物語は.久しぶりに見ました!!すっごく面白かったです!! (2017年11月5日 16時) (レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
あほのたぬき - ななはさん» やだなぁ…こんな凄くかけるの凄いです!(語彙力) (2017年11月3日 8時) (レス) id: 7200a4cd45 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - 生首さん» ありがとうございます! わー!本当ですか?解釈がちょっと違うかなぁと思って曲名を書くのやめたんですけど…。 感動した、と言ってもらえて嬉しいです、本当にありがとうございます! (2017年11月3日 8時) (レス) id: d77432ac6c (このIDを非表示/違反報告)
生首(プロフ) - 感動しました。ある曲を元に書いたんですよね?たぶん分かりました! (2017年11月3日 0時) (レス) id: 41d4f78280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななは | 作成日時:2017年10月14日 0時