擦過傷【あほの坂田】

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今日もうちのインターフォンが朝早くから鳴る。

坂田「Aー！迎えに来たでー！！」

馬鹿でかい声で叫ばれる。

優の声はご近所迷惑なんだよね…。

まぁ、これも小学生の頃からだからご近所さんも何を気にしてるというわけでもないのだろうけれど。

優は特別家が近い訳でもないのに、こうして毎朝迎えに来てくれる。

高校生にもなって…とも思うけれど、

やっぱり惚れた弱みというのは大きいようで。

なんて言っても、私は準備が遅いからいつも優を待たせてしまうのだけれど。

A「んー…。おはよ…優…」

昨日遅くまで起きていたからだろうか、ついつい欠伸が出る。

坂田「なんや、だいぶ眠そうやね。大丈夫？」

そういいながら心配そうに顔を覗き込んでくる優。

…ほんとうに、やめてほしい。

A「大丈夫だから！！」

なんて言って、優をはねのけて一人で歩き出す私。

…優といると、心臓が持たない。

ごめんごめん、と苦笑いをしながらついてくる優。



…ほんと可愛くないなぁ、自分。

素直になれたら、どんなに楽だろうか。

素直になれたら、優の一番近くの存在になれるだろうか。

そんな今更悩んだってどうしようもないことを、また一人で考えていた。

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