思い出のグラス〜貴女side〜 ページ10
夜11時を回った頃、仕事をしているスコーピウスの隣に座った私はココアでも飲もうかな〜と考えていた。
スコーピウスは私が横に座ると時折抱きしめたり、髪を撫でたりして自分を癒しているらしい。
ス｢よし！あとちょっとだ！｣
｢何か入れようか？｣
ス｢うん、じゃあココア飲みたい｣
｢オーケー｣
キッチンに入ってマグカップを取り出そうとするとスコーピウスが｢待って｣と私を止めた。
ス｢いつものグラスに入れて欲しい｣
｢え、あのグラス？ココアだけどいいの？｣
ス｢うん、いいの｣
いつものグラス、というのは学生時代に私がガラス工芸をやってみたいと言ってスコーピウスが連れて行ってくれた時にお互い交換したグラスだ。
｢スコーピウスは本当にこのグラスが好きだね。毎日使ってる｣
ココアを入れてスコーピウスに渡す。
ス｢ありがとう。なんだかね、このグラスで飲むと、がんばろーっ！って思えるんだ｣
それにAが作ってくれたから愛用してるんだ、とスコーピウスは照れくさそうに笑う。
｢大事にしてくれてグラスも喜んでるわ｣
ス｢Aは僕があげたグラス時々しか使わないよね｣
｢え、あー、大事にしてるからなかなか使えなくて…｣
昔からそうだった。大切なものはなかなか使えない。
だからいつの間にか妹のアンニカに私のモノがまわってたりするんだよね。
ス｢大切の仕方は人それぞれだもんね。大事にしてくれて嬉しいよ｣
スコーピウスはココアを飲んでグラスを撫でた。
グラスに入ったココアは雰囲気があるとは言えないけどやっぱり大切にしてくれると嬉しい。
今度はマグカップを作ってプレゼントしようかな。
｢よし、私もグラスでココア飲む！｣
飾っていたグラスを取り出して私はその中にココアを注いだ。
このグラスは多分片手で数えるぐらいしか使ったことないけどやっぱり特別だなって思う。
｢私もこのグラスでココア飲むようにしようかな｣
ス｢ほんと？じゃあグラスでココアデーだね！｣
スコーピウスは記念日を作るのが好きだけどこれは記念日の中でもかなり変な部類に入ると思う。
｢そうだね、グラスでココアデー｣
そうしてこの日はグラスでココアデーになった。
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ななや(プロフ) - たみーさん» コメントありがとうございます！スコーピウスのことをますます好きになって頂きとても嬉しいです！これからも頑張りますね。 (2023年1月8日 17時) (
レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
たみー(プロフ) - 私もななやさんの書くスリザリンシリーズが大好きで、いつも更新を楽しみにしています。元々スコーピウスが好きでしたが、この作品のおかげでもっともっと好きになりました！これからも影ながら応援しています。 (2023年1月7日 18時) (レス) id: cc612285a5 (このIDを非表示/違反報告)
ななや(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです！リクエスト書かせて頂きますね (2023年1月5日 11時) (レス) id: 1c4dcb9b3d (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 主さんの書く孫世代大好きです。リクできたら、一緒に寝るとこ書いてほしいです！ (2023年1月5日 10時) (レス) @page3 id: 7872d75835 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななや | 作成日時：2023年1月4日 17時
