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成瀬くんにご飯を頂いた後は、何だか申し訳ないので食器を洗おうと台所に立った。
やはり可愛らしい小物が時折目立つ。何となくそれを見たく無くなって、目を逸らすけれど、食器の方からは目を逸らせなくてうーん、と思いながら洗う事しか出来ない。
だって、成瀬くんは私が好きだと言っているのに他の女の人を家に上げるなんて事する訳が無い。
「なーに難しい顔してんの?」
「うわっ!?びっくりした!」
「あ、可愛いの見て嫉妬しちゃった!?ねえねえ!」
「うるさい!早く支度をしろ!バカ!」
「もう!そんな怒んないでよ!それ別に彼女とかじゃないから安心してちょーだいな。その子についてはまた分かると思うからその時にでも話すわ」
片方だけくるりと巻かれたピンク色の髪を揺らしながら、突然後ろに立たれるものだからビックリしてしまった。
安心しろとは言うが、彼に彼女が居ないからと言って安心する事も何も無い。私は別にそう言う事は知らないし、興味が無い。そもそも、成瀬くんは成瀬くん。ただの友人だ。
皿洗いは得意なので、成瀬くんの支度を待っている間に簡単に終わってしまう。
成瀬くんは相変わらず鏡の前で鼻歌を歌いながら髪を巻いているし、私はする事が無く手持ち無沙汰になってしまう。
スマホもある事にはあるが、そんなにゲームをする方でもないし、連絡を取るのも必要最低限でしか連絡を取らない。
現代の人間においては珍しいと言われるが、私は別に気にしてない。だって、暇を潰す方法など探せば幾らでもある。
読書に運動、勉強、映画鑑賞……。することなんて探せば何でもある。
弓道が強い私立高校に入学すれば、やはり学費というものが必要になる。だが、私は弓道に打ち込む為にバイトをする時間もないので特待生として何かとお金がかからない道を選んでいる。
無論、それには相応の勉強が必要であるが。
「そう言えばAって特待生よね?平日どれぐらい勉強してるの?部活もあるから大変でしょう?」
「うーん…部活がある日は短くても二時間は勉強をしているかな。部活にも支障をきたしたくないから、最低でも日付が変わるまでには寝るようにしてるし」
げぇっ、と成瀬くんから声が上がり、その顔は明らかに引き攣っている。その気持ちは分からなくもない。
とは言えども勉強は勉強で分かることがあるので苦にはならないが。
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鎖座波(プロフ) - 星月_hosituki_さん» コメントありがとうございます(;;)更新頑張りますね、、!ありがとうございます! (2020年6月28日 17時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - 尊いわ…なるせちゃんかっこかわいすぎるっ!しかも気になるところで終わってる!?っあぁ!!続き気になる!待ってます!! (2020年6月8日 19時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
トーストぱん(プロフ) - 尊すぎて瀕死になりましたごちそうさまです…1ページ1ページに尊み爆弾あって尊すぎて叫びまくりましたありがとうございます好きです付き合ってください (2020年5月19日 2時) (レス) id: 2929f04cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:桃色オネエラッパー×クーデレ生徒会長
作成日時:2020年5月16日 3時