小夜を殺したのは僕だ。 (ページ27)

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22、さよなら(小夜side) ページ27

僕は夜深桜さんの近くに寄る。

夜深桜さんは前にまだ僕とは話せないと言っていた。けど、記憶がなくなってからは沢山遊んでくれて、楽しかった。

夜深桜さんが僕を少し押して突き飛ばした時。

僕は何故か"かっこいいな"と思ってしまった。

でも次の瞬間には吹っ飛ばされて額から血を流した夜深桜さんがいた。
僕は咄嗟に大太刀に真剣必殺をくらわした。

夜深桜さんに近寄って声を掛ける。

けど、返事をしなくて、

僕の事も見えてないみたいで、

聞こえてないみたいで

自然に涙が溢れてきた。

三日月さんや山姥切さんたちの隊員が集まって来て

声をかけても返事がなかった。

僕達が本丸に連絡しようとした時

夜深桜さんが話し出した。

笑顔で、

僕を殺してしまって、ごめんない、と。

守れて、よかった、と。

ありがとう……。

僕にはなんでそんなことを言うのかわからなかったけど、一気に悲しみが込み上げてきて

どこかで泣く声が聞こえるな。と思ったら

それは僕の声で。

僕は大声で泣き叫んでいた。

ありがとう、夜深桜さん。

でも、死んだら意味なんて、ないんだよ。

生きていたら、もっと、

僕と沢山遊べたのに。沢山知れたのに。

僕こそ、ありがとう。

大好きだったよ、否、

今も大好きだよ、夜深桜さん……