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冥府の悪霊達 12 ページ12

パーシアス「はぁ...なに考えてんだ、俺...」

ある日突然『化け物』と罵られ、別人のように変わった母は、怒りにも嘆きにも捉えられるような顔で、そう叫んでいた。あの頃は自分は怖くて堪らなかった。夢であってほしいと願っても、一度刺さった言の葉の矢は引き抜く事が出来ない。

パーシアス「ったく...んな事でウジウジしてる俺は馬鹿だ...」

そっと立ち上がって、歩き出そうとした。

「坊や」

甘ったるい声が耳元にささやかれる。

パーシアス「あ...⁉」

気付いた時には遅かった。何人もの悪霊が、彼に縋りつこうとしていた。

「良い身体」

「魔獣の血が流れている」

「強靭なその心」

「欲しい欲しい」

「取り憑けば生き返る」

「これは俺のものだ」

「違う私のものだ」

腕が何本も少年の身体に巻きついてくる。

パーシアス「クソが、離れろ‼」

そう言うや否や、金属バットを悪霊の一体に殴りつけた。生々しい音は立てず、霧を切るような感覚だけで霊体は消えなかった。

パーシアス「マジかよ...!何の役にも立てねぇじゃんか!」

慌てて悪霊から振り払うと、その場から駆け出した。

「どこへ行くの」

「欲しい欲しい」

「逃げた捕まえろ」

「手に入れてやる」

悪霊の群れが、襲いかかる。

パーシアス「やっぱ幽霊に物理なんて効かないのかよ‼」

不意に、向こうに人影が見えたような気がした。見覚えのある、懐かしさと憎さを持ち合わせた人物が。

「パーシアス...?」

パーシアス「...⁉」

千草色の狼の女性がワインレッドの目で、そう呼んだ気がした。

「捕まえた」

悪霊の声に気付いた途端、意識が途絶えた。


金蘭「ああ、もうどうすんだよ...」

茶智子「何の進展もないじゃないですか...」

呆れたように言う少女と、言い返せない青年のやり取りは続けられる。

茶智子「シュネルを大事に思ってますね」

金蘭「なんだ?嫉妬か?」

茶智子「そうじゃなくて...。シュネルの過去の事は、ある程度は知ってます」

金蘭「...ったく、彼奴はいつも過去に固執してんだよな。いい加減な両親だって、きっとまだ良心があると信じてんだよ」

茶智子「私にも、イスカーチさんにも言ってました」

すると、どこかで声が聞こえた。

金蘭「なんだ?」

茶智子「行ってみましょう!」

2人は駆け出した。

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ルツ・ヒューイット(プロフ) - 新藤息吹さん» ありがとうございます!アンテをもしやるとしたら、ずっと平和ルートばっかすると思います(笑)フラウィー戦もヒーローアンダイン戦もやりたい気持ちはありますが、やりたくないです(笑) (2018年11月17日 21時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
新藤息吹(プロフ) - 面白かったです!見事にUndertaleにハマりましたね… (2018年11月17日 20時) (レス) id: 4a72550ddd (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - すぐ終わるかもしれない話です(笑)一応、ホラーチックな(?)ストーリーになります。 (2018年11月14日 22時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
新藤息吹(プロフ) - 面白かったです!体を温めてゆっくり休んでくださいね! (2018年10月26日 18時) (レス) id: 4a72550ddd (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - 訳ありまして、私ルツは...『ルツ・ヒューイット』というペンネームに変えます。呼び方はこれまで通り『ルツ』で大丈夫です! (2018年10月13日 18時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルツ・ヒューイット | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年9月5日 21時

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