無邪気な死の悪夢 50 ページ28
「おい、レティシア。眼を覚ませよ」
呼ばれた名前にハッとした。一休みしていたら、いつの間にか夢を見ていたようだ。懐かしい夢だったが、それは断片的な夢だった。
「起きたな、助けてくれ」
困ったような顔で話しかけてきた若い店長、サイラス・グロリオサに、レティシアはすぐに休憩室を出た。
「また、依頼人が来たんだよ」
そう、レティシアと友人のエルスペスが働く『テルティオー・クオクエ・メンセ』は、ある事件を解決した店で一躍有名になってしまった雑貨屋なのだ。来客は雑貨を買いに来る為に入るのではなく、事件の依頼をする為に入ってくる。
「ですから、扉の紙読みましたか？『事件依頼は添いかねます。こちらは雑貨店です。事件の依頼は、我々より遥かに頼りになれる警察にお任せ下さい』と」
同じく従業員のライオネル・アイビーは、いんぎん無礼にその来客に注意していた。見習いとして働く
「いやでもさ...」
来客はレティシアを見て表情を変えた。白髪の赤い目をした青年。階下からエルスペスも降りてきて、2人は声を上げた。
「アッリウム・ケーパ！」
「お前...！久し振りじゃねえか！！」
「うおおお、こっちも久し振りだぜ！！」
アッリウム・ケーパも嬉しそうな顔を漏らした。
「いやぁ、お仕事相変わらずでさぁ。玉ねぎだけ売ってんの。割と良い仕事だぜ」
サイラスは、怪訝そうに見つめて言った。
「レティ、エルシーの友達かな...？」
エルスペスは、大きく首を縦に振った。
「ああ、腐れ縁さ」
「ひでぇな、その言い草...それよりもさ、俺の依頼」
ライオネルは、ゴホンとわざとらしく咳をする。
「お客様？これ以上は」
「まぁ、待てよライリー」
エルスペスは止めた。
「友人のよしみだから、引き受けます」
「えええ！？マジかよ、レティシア...」
サイラスはひどく驚いたが、エルスペスも同意を示した。
「あたしも。で、ご依頼はなんなんだい？」
ライオネルはサイラスと顔を見合わせ、やれやれと首を振った。ステラは、また非日常に飛び込めると唇をほころばせていた。
「簡単な事件さ...」
結局、アッリウム・ケーパの依頼は単に人探しであったものの、3人をつないだ出来事の所以は夢しか知らない。
続く
ラッキーフラワー
グロリオサ
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ルツ(プロフ) - レジスタンスさん» ありがとうございます！次章をお楽しみ下さいね(^^) (2017年9月8日 12時) (
レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - 面白かったです！！ (2017年9月8日 12時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - 2人の刑事が住んでいた島のモデルは、『軍艦島』がモデルです。あの雰囲気が魅力的だったので、投影させました。シリアスな場面はここまでで、後からギャグに走っていきます！(上手くできるだろうか...) (2017年9月2日 15時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
レジスタンス(プロフ) - ルツさん» 楽しみです！ (2017年9月1日 13時) (レス) id: 2d55fe83e4 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ(プロフ) - お久しぶりの更新です（笑）今回は、ギャグの方面で行きます！ブローカー警部とプロムナード警部補の年齢を、引き上げました(どうでもいい)。 (2017年9月1日 10時) (レス) id: 62681feacb (このIDを非表示/違反報告)
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