絹と霧が織りなす悪意 4 ページ22
仕事やプライベートで遠出する事があっても、このような事情で出かける事になろうとは思いもしなかった。馬車に揺られながら、彼等は話をする。
「どうしよう...マジで」
「珍しく気弱になりやがって...」
緊張するエルスペスに対して、ライオネルは窓の外を眺めた。木々の緑が深さを増し、時折外から流れる冷気が心地よく、霧が少しずつ深くなっている。泊りがけの旅行はこれが初めてだ。そして名前位しか知らなかったザイデ・フィオーレという国を訪れるのも初めてだった。
「今更引き返せないよ。後少しで着くはずだけど...」
サイラスはそう言った。
「すみません、後どれくらい着くのですか？」
御者に尋ねると、後十数分だと言われた。
「ラベンダー大公と謁見するまで、後そんな時間か...」
レティシアは、深く座り直した。柔らかく深い赤の席と模様は、北の地方特有の華麗なものだった。
「エルシー、まさかと思うけれど...大公自身が私達に事件を解決してくれと言われたら、どうする？」
「え！？」
「相手は近隣の国々と対等に交流しつつ、自国の利益を高めている名君だからねぇ...。そんな方からの依頼があったら、断る？」
「無理だ」
レティシアは意味ありげに言うと、エルスペスは即答した。
「まぁ、まさかな！大公様が俺達に事件の依頼なんて、するわけないよな！ザイデ・フィオーレも優秀な警官が多くいるって聞いたし...」
楽観的に捉えようとサイラスは言ったが、やはり拭えない不安があった。食事会と偽って、本当は事件を解決してくれと言ってくるかもしれない。もしかしたら、自分達が数多くの事件を解決してきただけあって、何かの不安を覚えて密かに処罰でも与えようというのではないのだろうか。力ある者は痛い目に遭う。自分達の存在は、必ずしも全ての人に受け入れられているとは言えないのだ。
「それよりも、観光出来ないかな...。落ち着きたいし」
「サイラス...」
しばらく経ち、御者が着いたと言ってきた。
降り立つと、はるかに大きい豪奢な門の壁があった。クリーム色の扉には、青みがかった白い霧と、立体感のある色とりどりの絹の織物が川のように流れていた。絹と霧の国に相応しい絵柄だ。正午になるというのに、霧は濃い白にたゆたっていた。本当にこの場所へ来てしまった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーナンバー
8
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西 - この方角に福があるはずです
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りぶ - 用語一覧、ありがとうございます！ すごく良かったです!!! (1月11日 16時) (
レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» 遅くなりました、全部でなくとも見てみたいです！ (12月18日 5時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
ルツ・ヒューイット(プロフ) - りぶさん» おおお...今度は用語集でございますか...！検討してみましょう。もし制作する事になったら、またかなり時間がかかる上に、全部とはいかないかもしれません宜しいですか？ (9月3日 6時) (レス) id: d8efa9f421 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - 魔法一覧、ありがとうございます！ とても嬉しいです。もしもう1つ私のわがままを聞いてくださるのであれば、特殊な用語が多いのでその用語集がほしいです。が、これはあくまでもわがままですので、作者様のご意向に従います (9月2日 23時) (レス) @page17 id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
りぶ - ルツ・ヒューイットさん» はい！ 待っています (7月26日 21時) (レス) id: 5f459e3a39 (このIDを非表示/違反報告)
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