きっと届かない、この思いは。【天月】 (ページ2)

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好きな人ページ2

一日目、4/8

残念ながら野外のフリーライブは通り雨によって中止となり、サイン会をCDショップでやる事になった

ライブ自体は出来るが、観客が傘を刺さないと濡れてしまうこととそれによって怪我、喧嘩が起こらないようにだったらしい

ライブの抽選番号は35番と幸運で最前列の丁度真ん中だったのにすごく残念だったがサインが早く貰えると思えば気が楽になる

「ｷｬｰ!!!あの！私大ファンです！!」

奇声とともにドタバタと音が聞こえてくる。きっと飛び跳ねてでもいるんだろう

なんと迷惑な話何だろうか、非常用階段で待たされて居るというのにマナーがなっていない人のせいで私の好きな人に悪印象を持たせてしまうではないか

なんて怒りを募らせながら彼になんて言おうか考える

書いてきた手紙はサインを書いてもらうまで持ってて受け取る時に『書いてきたので是非読んでください！』と、可愛く言おう。とか覚えてもらいやすいようにどうしたらいいかなんて考えていたらあと5人を切っていた

「サインを書いてもらえる箇所はこちらの紙を見てください！CD本体、別の色紙等はご遠慮下さい!」

スタッフさんの声にハッとして歌詞カードを取り出す

ケースに丁寧にしまったら傷がつかなくて、消えなくて更に上から触っても大丈夫だというすごくいい場所だと私は思う

「次の方」

前の人がはい！と言って中に入って行き、こう叫ぶ

「キャーッ!」

これで何人目だろうか？後ろの人達でさえざわつく程の高頻度で叫んでいる。多分8人続いていると思う

「次の方」

「はい」

落ち着いていこう。こんなに叫ばれたら可愛そうだ

叫んだらダメ、平然を装って…大丈夫。と言う暗示を掛けて少しゆっくり歩く

そしてカーテンをくぐる