＊004 神様、神様 ページ5
ぱん、と両手を合わせご馳走様でした、と声を揃える。
「…ゆりんくん」
「ん？」
「私、記憶絶対戻すから」
うん、とも頑張って、とも言えなかった。
やめて、って。
思い出さなくていいって。
そう考えた。
思い出さなかったら彼女は幸せを手に入れられる。
自分のことなんて思い出さなくていい。
「………無理、しないでね」
「うん！」
俺とはクラスメートだけでいい。
それ以上の関係は彼女を傷つけるだけだ。
「………神様」
この願いが叶うなら、彼女の記憶が戻りませんように。
自分の存在が、彼女の中から消えますように。
「……………バカみたい」
神様なんているはずがない。
確か次は移動教室だ。
教室内が静かなのもわかる。
自分も行かなきゃ。
行かなきゃなのに足が動かない。
「…神様、神様」
昔やった遊び。
よく信じてたっけ。
「Aが俺を忘れますように、忘れますように」
目を閉じて誰もいない教室で呟く。
「………忘れなくてもいい、関わらないように」
クラスが変わって同じになりませんように。
彼女が引っ越して家が近くなりませんように。
委員会が同じになりませんように。
夏の日に聞いた事をもう一度思い出し机に伏せた。
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ゆず - ばっどえんどの恋愛小説っていいですね〜 (2015年2月14日 0時) (
レス) id: 202867a570 (このIDを非表示/違反報告)
綾結(プロフ) - 新作おめでとうございますー！鹿さんがシリアス書かれるということでﾋｬｯﾊｰ!してました。お体に気をつけて下さい…！応援してます！ (2014年10月28日 23時) (レス) id: d1aba36142 (このIDを非表示/違反報告)
はつね(プロフ) - 新作おめでとう！お鹿のシリアス？なのかな？ということでテンション上がってます！更新はお鹿のペースで 無理せずに頑張れ！ (2014年10月28日 8時) (レス) id: 15f0901f94 (このIDを非表示/違反報告)
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