*76*彼のペース ページ35
『あ、天月くんっ…こんな、ダメ…っ!』
天月くんの手首をつかんで、私は必死に彼を見た。
「どうして?」
しかし、彼は首をかしげる。
『どうして、って…!』
「いいじゃん、…A、可愛い」
『っ』
言葉を失う私に、天月くんは満足げに。
「ほら―――…さっさと済ませちゃお?」
そういって、天月くんは悪戯に笑うと―――――――
「これ、全部ください」
隣にいた店員さんに、私が最も恐れていた言葉を躊躇無く吐いた。
真っ青になる私。
…あれから、広場からほど近い洋服屋に入った。
私は、先ほど天月さんに手早く渡された服を試着している状態で。
わけのわからないまま、それを着たのだがどうやらそれは間違いだったようだ。
『あぁああぁぁぁああああ…!嘘!嘘です!』
「あー、すみません今混乱してるみたいでー。このままきるので大丈夫ですー、はい」
しかし、私の必死の抗議も天月くんの話術に捕らえられた店員さんには意味もなく。
さっさと店からエスコートされて出された。
…ああ、もう。
私は、小さめのため息をついて前を歩く天月くんに言う。
『天月さん…!こんなの悪いです!』
「なんで?だってスーツじゃ目立つでしょう?ていうか敬語。また戻ってる」
『あ…』
ハッと口元に手をやる。
そうだった。
すると、天月くんは悪戯っぽく笑って。
「その罰。それ、あんま高くないし、大丈夫だよ」
そう微笑まれて。
“ほら、行こう”なんて手を引かれたら、それ以上反論なんてできない。
私が今来ている服は、淡い桜色をしたシフォン地のワンピース。
それに、ショートブーツとアンティークっぽい細めのネックレス。
なんの気遣いか、こ洒落た可愛いストールまでついてきていて。
…高い、高くないの問題じゃない気がする。
「…あ、そうだA甘いものとか好き?」
『…?うん、好き、だけど…』
「よし」
な、何がよしなの!?
そう思うと同時に、腕を引かれた。
思わずちょっとだけ赤面。
…なんだかんだで、これ、天月くんのペース…だよね!?
〜〜〜〜〜〜〜〜
ライブかえって来ました!
最高だった!
あと、ここにレポ書いたのでどうぞ!
circle of friends ファイナル 昼の部 ライブレポ!
*77*甘いのは店内だけではありません→←*75*月夜の晩にて
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しぃ - この作品の空気が大好きです!これからも更新頑張ってください! (2017年1月23日 2時) (レス) id: b6bffe2f4c (このIDを非表示/違反報告)
kai - イケメンか!みんなイケメンか! うわぁぁぁ! (2016年5月9日 17時) (レス) id: 9a244b794f (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - さやえんどうさん» レスありがとうございます。楽しみにしてます。 (2014年7月6日 14時) (レス) id: 3df0169470 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ミャンさん» うわああ気づかなかった・・・!レスものすごく遅れてごめんなさい! えーっと、それはものすごい後の伏線になってますね・・・!お楽しみに! (2014年7月5日 22時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - 68の最初のところでそらるさんは何を撮ったんですか? (2014年2月11日 14時) (レス) id: 8abaadbd6f (このIDを非表示/違反報告)
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