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*63* 残された3人 ページ19

「…何してる、アン、店長」
「「ギクッ」」
「口でハモるな」

俺が声をかけたのは、リビングの出口。

アンと店長は、デジタルカメラを持っていて。
店長はダッフルコート、アンは薄手のコートを羽織っていて。
…まあ、何をしようとしているかは一目瞭然で。

「はぁ…Aたちの入学式に行こうとしてたんだろ」
「ちちちちちち違うよ!俺たちはバードウォッチングを…ねぇアンさん!?」
「そそそそそそそそそそそうよねぇ!アタシたち何にもやましいことなんて…ね!」
「無理があることに気づけ」

思わず大きめのため息。
すると、アンがどうしようかな、という笑いを浮かべて。

「まあ灯油が止めても俺行くけど」
「いろいろとおかしいだろう」
「灯油も見たいでしょッ!?Aとかしゃむくんとか天月くんのスーツ!」
「いやさっき見たし」

どうやら、目的はあの三人のスーツらしい。
…だからカメラか。

「来るなって言われたろ…96猫に」
「え〜〜っ、大丈夫だよ今年は目立たないようにするから!ねぇアンさん!」
「そうよねぇ!アタシたち、去年とはレベルが違うのよ!」
「…………はぁ」

―…そう。

去年、96猫の入学式。

天月としゃむおんはバイト、そしてまふまふは学校で。

張り切って乗り込んでいったアンと店長、そしてそれを止めるために行った俺は、予想外に大学の敷地内で目立ってしまい。

96猫に、「大学来るの禁止!」といわれてしまったのである。

「灯油さんが来ないなら俺、Aのスーツ半分脱がすからね!」
「は!?」
「店長それいい!半分…イイ!!」
「アンまで何言ってるんだよ!」

誰かこの変.態どもを止めてくれ。
俺は空―…もとい、天井を仰ぎ見る。

すると、店長がニヤリと笑って。

「いいの〜?脱がされちゃうんだよ、お・れ・に」
「…行けばいいんだろ、行けば!」
「やったぁ〜!店長ナイス!」
「いえーい!」

きゃっきゃとハイタッチをし合う2人は総スルーしながら、俺は春物のコートを羽織った。
そらるからもらったコート。
あいつ、結構めんどくさいけど服のセンスはいいから貰ってしまう。

性格、相当悪いけど。

そんなことを思いながら、俺はアンと店長が出たのを確認し、シェアハウスの鍵を閉めた。

*64* 貴重→←*62* 分からずじまい



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しぃ - この作品の空気が大好きです!これからも更新頑張ってください! (2017年1月23日 2時) (レス) id: b6bffe2f4c (このIDを非表示/違反報告)
kai - イケメンか!みんなイケメンか! うわぁぁぁ! (2016年5月9日 17時) (レス) id: 9a244b794f (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - さやえんどうさん» レスありがとうございます。楽しみにしてます。 (2014年7月6日 14時) (レス) id: 3df0169470 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - ミャンさん» うわああ気づかなかった・・・!レスものすごく遅れてごめんなさい! えーっと、それはものすごい後の伏線になってますね・・・!お楽しみに! (2014年7月5日 22時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
ミャン(プロフ) - 68の最初のところでそらるさんは何を撮ったんですか? (2014年2月11日 14時) (レス) id: 8abaadbd6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年3月2日 12時

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