エイ★プリルフール(茶番) ページ41
全員リビングに集まっている。
いつもは和やかな雰囲気は、とても張り詰めていた。
ガシャーン!
けたたましい音をたてて、床にマグカップがたたき付けられた。
それを叩きつけたまふくんは、キッとしゃむくんを睨む。
まふ「…しゃむくん、いい加減にしてよ。俺は天月くんが好きなの。邪魔しないでよ」
しゃむくんは、割れたマグカップを冷たく一瞥して、彼とは思えないほどの冷たい口調で言う。
しゃむ「誰を好きになろうが僕の自由でしょ?…まふくんに言われる筋合いないんだけど。僕も、天月くんが好き」
それを聞いた天月くんが、フッと笑みを漏らして口を開いた。
天月「…やめてよ二人とも。…俺は、俺が好きなのは」
天月くんが熱っぽい視線をやったのはアンさんだった。
アンさんは、目を合わせないように目を伏せる。
灯油さんが、そんなアンさんの肩を抱 いた。
灯油「…やめてくれ、天月。アンには、俺がいる」
アンさんは、偽ったような笑顔で灯油さんに笑いかける。
けれど、アンさんの視線は店長に向けられていた。
店長は、それに気づいてか気づいていないのか、萌え袖にした手を口元にもっていき、小首をかわいらしく傾げる。
そして、爆弾発言をした。
店長「…やだなぁ灯油さん。あの 夜のこと、忘れたの?」
その瞬間、灯油さんはガタッと立ち上がってあせったような口調になる。
灯油「やめろッ、店長…!あれは、お前が勝手に」
店長「それでも興 奮してたのは事実でしょ?」
ニコニコ、と。
余裕を崩さないままの笑顔で、店長は言う。
灯油さんは、ドサリとアンさんの横に座って、両手で顔を覆った。
灯油「…ごめん、アン。俺…」
アンさんは、衝撃に塗られた瞳で灯油さんを見る。
そして、かすれた声で訊ねた。
アン「…もしかして、灯油。店長に、…抱 かれたの…?」
灯油さんは、小さく頷く。
次の瞬間、立ち上がったのはアンさんだった。
そのまま店長に迫り、大きな声で叫ぶ。
アン「なんで!?店長、俺は店長が好きなのに!!」
店長「…俺は、灯油が好きなんだ。アンさんにも渡さないよ」
まふくんとしゃむくんは天月くんに選択を迫り、一方の天月くんはその二人を受け流しながら、アンさんを見つめている。
アンさんは店長に襲 い掛からんばかりの勢いで、灯油さんは悲しそうな顔でそれを見つめる。
―――…ああ。
『泥沼だねぇ96ちゃん…』
「そうだねA…」
私の恋人は、96ちゃんでよかった。
そう思って、私は微笑んだ。
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アイ - うわあああぁ96ちゃんと恋人とかメッチャ嬉しい嬉し過ぎて泣くw ……泥沼wって、スゴインダネ…(棒) (2015年8月25日 18時) (レス) id: 3feaac4107 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 泥沼最高ぉぉぉ!アンさん…抱 かれたの?って…エッr((殴 (2015年7月22日 17時) (レス) id: 8a29a1f60c (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - ほう、泥沼の設定も悪くない。 (2015年7月15日 10時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
黒狼狐* - 泥沼最高ですわwwwめっちゃ三角関係ww 夢主96ちゃんとww平和ww (2015年5月8日 19時) (レス) id: c202730bdf (このIDを非表示/違反報告)
甘楽=ショコラ - 流石はさやえんどう様。とても素敵な文章でいらっしゃいますね。 ・・・。灯油さん受けfooooo!!← (2015年5月1日 23時) (レス) id: 5a9694d45f (このIDを非表示/違反報告)
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