検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:138,979 hit

エイ★プリルフール(茶番) ページ41

全員リビングに集まっている。
いつもは和やかな雰囲気は、とても張り詰めていた。

ガシャーン!

けたたましい音をたてて、床にマグカップがたたき付けられた。

それを叩きつけたまふくんは、キッとしゃむくんを睨む。


まふ「…しゃむくん、いい加減にしてよ。俺は天月くんが好きなの。邪魔しないでよ」

しゃむくんは、割れたマグカップを冷たく一瞥して、彼とは思えないほどの冷たい口調で言う。

しゃむ「誰を好きになろうが僕の自由でしょ?…まふくんに言われる筋合いないんだけど。僕も、天月くんが好き」

それを聞いた天月くんが、フッと笑みを漏らして口を開いた。

天月「…やめてよ二人とも。…俺は、俺が好きなのは」

天月くんが熱っぽい視線をやったのはアンさんだった。
アンさんは、目を合わせないように目を伏せる。

灯油さんが、そんなアンさんの肩を抱 いた。

灯油「…やめてくれ、天月。アンには、俺がいる」

アンさんは、偽ったような笑顔で灯油さんに笑いかける。

けれど、アンさんの視線は店長に向けられていた。


店長は、それに気づいてか気づいていないのか、萌え袖にした手を口元にもっていき、小首をかわいらしく傾げる。

そして、爆弾発言をした。


店長「…やだなぁ灯油さん。あの 夜のこと、忘れたの?」


その瞬間、灯油さんはガタッと立ち上がってあせったような口調になる。

灯油「やめろッ、店長…!あれは、お前が勝手に」
店長「それでも興 奮してたのは事実でしょ?」

ニコニコ、と。
余裕を崩さないままの笑顔で、店長は言う。

灯油さんは、ドサリとアンさんの横に座って、両手で顔を覆った。

灯油「…ごめん、アン。俺…」

アンさんは、衝撃に塗られた瞳で灯油さんを見る。
そして、かすれた声で訊ねた。

アン「…もしかして、灯油。店長に、…抱 かれたの…?」

灯油さんは、小さく頷く。
次の瞬間、立ち上がったのはアンさんだった。

そのまま店長に迫り、大きな声で叫ぶ。

アン「なんで!?店長、俺は店長が好きなのに!!」
店長「…俺は、灯油が好きなんだ。アンさんにも渡さないよ」

まふくんとしゃむくんは天月くんに選択を迫り、一方の天月くんはその二人を受け流しながら、アンさんを見つめている。

アンさんは店長に襲 い掛からんばかりの勢いで、灯油さんは悲しそうな顔でそれを見つめる。
―――…ああ。

『泥沼だねぇ96ちゃん…』
「そうだねA…」

私の恋人は、96ちゃんでよかった。
そう思って、私は微笑んだ。

エイ★プリルフール(茶番)2→←メリークリスマス!その5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
283人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , さやえんどう
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アイ - うわあああぁ96ちゃんと恋人とかメッチャ嬉しい嬉し過ぎて泣くw ……泥沼wって、スゴインダネ…(棒) (2015年8月25日 18時) (レス) id: 3feaac4107 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 泥沼最高ぉぉぉ!アンさん…抱 かれたの?って…エッr((殴 (2015年7月22日 17時) (レス) id: 8a29a1f60c (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - ほう、泥沼の設定も悪くない。 (2015年7月15日 10時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
黒狼狐* - 泥沼最高ですわwwwめっちゃ三角関係ww 夢主96ちゃんとww平和ww (2015年5月8日 19時) (レス) id: c202730bdf (このIDを非表示/違反報告)
甘楽=ショコラ - 流石はさやえんどう様。とても素敵な文章でいらっしゃいますね。 ・・・。灯油さん受けfooooo!!← (2015年5月1日 23時) (レス) id: 5a9694d45f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年2月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。