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体育の日4 ページ26

シェアハウスへの帰り道。

「…ていうか、どうして鬼ごっこなんかー!」
「楽しそうだったからじゃないかな〜」

サッパリというしゃむくんに、ガクッと拍子抜けした表情のまふくん。

「灯油ー、今度50メートル走してタイム計ってみようよ」
「…まあ、50メートルなら」

今日、絶好調だったらしいアンさんと灯油さんは本格的に走ってみたいみたいで。

「96ちゃんめっちゃ足速くない…?」
「いや店長も“走るの嫌”とか言ってたくせしてめっちゃくちゃノリノリだったじゃん…」
「だって楽しかったし…」

疲れたのか、いつもよりローテンションで話す96ちゃんに店長。

すると、天月くんが話しかけてきた。

「Aも参加すればよかったのにー」
『いや…ごめん、たぶん私はムリだ』
「はは、だよね。女とはいえ96ちゃんの体力がズバ抜けてるだけだし」

苦笑して、ちらりと96ちゃんをうかがう天月くん。
私も思わず笑う。

―――…すると、天月くんが私の頭にぽんと手をのせて。



「今度はAも一緒にできる競技にしようねっ」
『―…あ、

うん…!』


嬉しさに頷くと、天月くんも嬉しそうに笑った。

天月くんの綺麗な金髪が、夕日にキラキラと輝きを帯びている。

「Aも一緒にできる競技かー…90分本格的サッカーとか」
『し、しぬ…!』

…それはないだろう、と反論すると。

天月くんは、


私の前髪をスッとあげて、



―――…



「あああああああああ!!!」
『!?』
「てへっ、もーらい」

まふくんの叫びが響く。
私は目を見開くことしかできない。

天月くんは、


…私の額に唇を一瞬だけ押し付けた天月くんは、可愛らしく小首をかしげてシェアハウスへと走った。

「天月くん許さないー!」

まふくんがすぐさま天月くんを追いかける。
先ほどの疲れた様子はどこへやら。

96ちゃんが、「何されたの!?」と聞くも私の耳には入らず。


―――…だって、


そんなの、


『…やっぱり天月くんってずるい…!』

私は、夕暮れに向かってそう呟くのだった。


〜〜〜〜〜〜


本気を出せば一時間で4話かけることがわかりました((

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アイ - うわあああぁ96ちゃんと恋人とかメッチャ嬉しい嬉し過ぎて泣くw ……泥沼wって、スゴインダネ…(棒) (2015年8月25日 18時) (レス) id: 3feaac4107 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 泥沼最高ぉぉぉ!アンさん…抱 かれたの?って…エッr((殴 (2015年7月22日 17時) (レス) id: 8a29a1f60c (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - ほう、泥沼の設定も悪くない。 (2015年7月15日 10時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
黒狼狐* - 泥沼最高ですわwwwめっちゃ三角関係ww 夢主96ちゃんとww平和ww (2015年5月8日 19時) (レス) id: c202730bdf (このIDを非表示/違反報告)
甘楽=ショコラ - 流石はさやえんどう様。とても素敵な文章でいらっしゃいますね。 ・・・。灯油さん受けfooooo!!← (2015年5月1日 23時) (レス) id: 5a9694d45f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年2月17日 23時

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