シェアハウスでの日常の、一コマ。 ページ14
〜灯油&アンさんの午後〜
―…午後一時。
俺が、会社から長めの昼休みをもらってシェアハウスに戻り、昼寝をする時間だ。
大学生は大学、店長はたいてい会社。
いるのといえば、同じく昼休みをもらったアンのみ。
そのアンも、部屋で作業をしているか地下で歌っている。
時々訪れるアンからの安眠妨害を除けば比較的静か、かつ安心できるこの時間を俺は昼寝に使っているのである。
…しかし。
今日は、どうやら例外のようで。
「…灯油、そこどいて。俺眠い」
「…知るか。俺も眠いんだよ。自分の部屋行けよ」
「…うごきたくないー」
俺がリビングで一番大きいソファに寝転がっていると、アンがソファの横にフラリときて、ぽすりと俺の腹に顔をうずめた。
それやめろ、気持ち悪いから。
「ケチ」
「自業自得」
俺がそう言い捨てると、アンは黙ってしまった。
当たり前だろ。
「3日間寝ないでほぼ歌ってるとか、馬鹿としか思えねぇ」
「…灯油にはバレてたかー」
「侮るなよ」
力なく苦笑するアン。
地下に防音設備があるのをいいことに、ずっと歌ってる奴がいる。
それはいいんだ。
まあ、喉を壊しそうになったら止めに入るが。
しかし、アンの入りびたり度は尋常じゃない。
こだわったらひたすら極める。
これがこいつの性格だ。
…性格に難がある、と言われるのはこれのせいでもある。
「だって、全然納得のいく歌、歌えなくて」
「だからって3日連続で歌うのはやめろ」
「…時間、ないし」
「あせったらもっと駄目になるだろ」
どうやら、今日は相当弱っているらしい。
アンが俺の前だとはいえ、こんなに弱音を吐くなんて珍しい。
「…しょうがねぇから、今日はここのソファ貸してやる」
「…わーい、灯油ありがと。愛してるー…」
「気持ちが悪い」
「…」
のでーっとぐたっているアンを引っ張り上げ、俺がさっきまで寝ていたそこに押し上げる。
へら、と笑ったアンは、そのまま眠りに落ちていった。
「…はぁ」
思いもよらない侵略者に占領されたソファを見てため息。
―…でも、とりあえずこいつに無理させないことが、最重要課題だな、と。
俺は、改めて感じたのであった。
*********
サブタイトル:苦労人灯油さん
灯油さん×アンさん大好きです…
あ!
違う、灯油さん&アンさん!違う!カップリングみたいに書いてません!間違えました!
途中からびーえるっぽくなってバックスペースで15行消したとかありません!((
283人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイ - うわあああぁ96ちゃんと恋人とかメッチャ嬉しい嬉し過ぎて泣くw ……泥沼wって、スゴインダネ…(棒) (2015年8月25日 18時) (レス) id: 3feaac4107 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 泥沼最高ぉぉぉ!アンさん…抱 かれたの?って…エッr((殴 (2015年7月22日 17時) (レス) id: 8a29a1f60c (このIDを非表示/違反報告)
桜陰 - ほう、泥沼の設定も悪くない。 (2015年7月15日 10時) (レス) id: 90b9e4c21b (このIDを非表示/違反報告)
黒狼狐* - 泥沼最高ですわwwwめっちゃ三角関係ww 夢主96ちゃんとww平和ww (2015年5月8日 19時) (レス) id: c202730bdf (このIDを非表示/違反報告)
甘楽=ショコラ - 流石はさやえんどう様。とても素敵な文章でいらっしゃいますね。 ・・・。灯油さん受けfooooo!!← (2015年5月1日 23時) (レス) id: 5a9694d45f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ