Call me ページ3
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「……ねぇ、いいっしょ?」
『……っ、だめだってば……』
吐息が感じられるほどに近い距離
目の前に愛しい人
「……どーしても、ダメ…………?」
『うぅ……っ』
そんな悲しげな顔で見つめられても、ムリなものはムリなんです
「えぇ〜、俺はAって呼んでるじゃん!!和成って呼んでよ」
『……Aちゃん、で良かったのに』
嬉しいんだけどね!!
まぁ、高尾くんとお付き合いできてるだけですごく幸せなので
「俺がそう呼びてぇの。仕方ねーなぁ…………あ、じゃあ呼んでくれるまで……」
油断した、と思ったときには遅くて
いつもの悪戯っ子の笑顔で、私の手を握った
『っ、ふぁ!?』
「手、離してやんない♪」
待てぇい高尾くん!!私まだそういう恋人らしいこととか慣れてないんです!!ねぇ!!確かにあの日の帰り道は繋いでたけど!!流れとかノリとかそういうのあるじゃんんんんん!!
『高尾く、』
「俺高尾くんじゃないよ」
高尾くんでしょ!?そこは違くないでしょ!?
このイケメンめ!!←
『……うぅぅ…………』
にこにこしながら、こっちを見つめる彼
これは絶対引かないやつだ……
『……か、かず…………』
「はいそこまで時間切れー」
すぱこぉん←
と、なんともいい音が響いた
それと共に頭を抑えて目の前の彼は蹲った
後ろから現れたのは
「リア充調子乗ってんじゃねぇぞ今部活中だろーが!!!佐倉は許すがお前は轢く!!」
ハリセン片手にお怒りの、宮地さんでした
「宮地さんハリセンはあかん!超いてぇ!(笑)」
「休憩終わりだ高尾!みっちりしごいてやる」
「嘘だろ死亡フラグじゃん俺」
大坪さんや木村さんも、宮地さんに続いて苦笑いでコートに戻っていく
高尾くんも、タオルを置いて立ち上がった
「じゃ、頑張ってくっか〜……っておわ!?……ど、どしたのA、Tシャツ掴んじゃって……」
驚いた顔の彼が振り向く
誰にも見られていないことを確認し、耳元に寄った
『今日は、2人で帰ろ?…………“和くん”』
「……………………え」
『っ、こっちのが呼びやすいから!!今はこれで許して……ね?』
「………………もーお前さいっこー……」
私たちの夏はまだ終わらない
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作者名:紫苑 | 作成日時:2016年8月9日 20時