君が為【芥川 龍之介】

案内と挨拶(夢主side) ページ8

あの後私は芥川さんに案内をして貰った。残り後少し。

兎に角広いし景色は同じ。地図も貰ったが迷う気しかしない。

すると唐突に

「幹部の方に挨拶をしていこう。丁度昼時だ。食堂へ行くぞ。」

確かにお昼ご飯を食べる頃だ。

また同じ様な廊下を歩いて行く。突き当たりにいい匂いのする部屋があった。

「ここだ。今は2人しか居ないな。本当は5人いるのだが…理由はいつかわかる。」

ふと、哀しそうな顔をした。何処か寂しそうな顔。見間違いだろうか…そして食堂へ入って行った。

「おう、芥川か。手前が此処に来るなんて珍しいな。隣のは誰だ？」

「芥川かえ。本当に珍しいのう。して、其処の女子は誰じゃ？」

「今日マフィアに入った者です。大内、ご挨拶を。」

食堂へ入ると黒い帽子を被った橙色の髪をした背の低い男の人と
桃色の髪をした背の高い女の人が居た。

『はい。初めまして。本日よりマフィアで働かさせて頂きます。
大内 Aと言います。14歳です。異能力は〈望んだ世界で〉。
異世界へ転移し、異能力として判定されない技術を得て戻ることが出来ます。
体術はそこそこ出来る方だと思います。宜しくお願い致します。』

「おう、なかなか礼儀正しい奴じゃねえか。
俺は中原中也。此処ポートマフィアの幹部の一人だ。中也でいいぞ。」

『はい。では中也さん、宜しくお願いします。(背丈が同じ位…)』

「私は尾崎紅葉じゃ。其れと同じ幹部じゃ。紅葉姐さんと呼んでくれたら嬉しいのう。」

『分かりました。紅葉姐さん、宜しくお願いします。』

気さくな人達で良かった。

「中也幹部、今度此奴と手合わせして頂けないでしょうか。羅生門を避けたので。」

「今度と言わず今でもいいんだぜ？どうだ？A」

確かに魅力的な誘いだ。でも今は案内の途中。

『あ、今は案内して貰っている途中なので…また今度にして頂けるとありがたいのですが。
あと帽子、素敵ですね。』

気になっていた事をやっと言えたと思ったら、

「A手前見る目あるな！いいだろ？この帽子。」

褒められた。帽子好きなのかな？まあいいや。

「ではこれで失礼します。」

『失礼します。』

そして食堂を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
案内が全て終わった後。

『芥川さん、今日は有難うございました。改めて宜しくお願いします。
今日は家に戻ろうと思います。』

「そうか。なら何かあればこれに電話しろ。」

連絡先を交換して家路に着いた。

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