17話 ページ17
佐藤「わかりました。伝えさせていただきます。では───」
佐藤が立ち上がろうとすると、医師が「あ、待ってください」と止めた。
「それと、もう一つ。検査のときにわかったんですが、彼女の右目にこれが……」
そう言って、デスクに置かれたステンレスガラスのトレイを見せる。
トレイには黒いコンタクトレンズのようなものがのっていた。
高木「何ですか、これは」
佐藤「カラコンみたいだけど……」
「ええ、黒い瞳に見せるためのカラーコンタクトレンズですね。まあ、これに関しては記憶喪失や発作とは全く関係がないことなんですが、念のためにお伝えさせていただきました」
佐藤「ご協力ありがとうございます」
礼を言う佐藤のそばで、コナンと愛梨はデスクに置かれたトレイを見つめた。
(ってことは、オッドアイや義眼だと思ったのは、私/オレたちの勘違いだったわけね/のか……)
ならば、彼女はラムではないのだろうか?
でも、なぜ右目だけ黒のコンタクレンズを着けていたんだろう。
もしかして、左目のレンズはどこかで外れたのか……?
コナンと愛梨が疑問に思っていると、扉が開いて救急隊員が「失礼します」と入ってきた。
「搬送の準備が整いました」
扉の向こうには、ストレッチャーに乗せられた女と別の救急隊員が待機している。
佐藤「では我々もこれで」
高木「ありがとうございました」
佐藤と高木は医師にお辞儀をして扉に向かった。
残っているコナンと愛梨に、医師が「あれ?」と気づく。
「ボクたちは一緒に行かなくてもいいのかい?」
コナンと愛梨は扉が閉まるのを確認してから「うん」と答えた。
愛梨「先生にもう一つだけ訊きたいことがあって」
「何だい?」
コナン「さっきのカラコンのことなんだけど、片方だけ黒く見せてたってことは、お姉さんの両目は元々青だったんだね」
「それが、右目だけ透明だったんだよ」
愛梨,コナン「透明……?」
コナンと愛梨が訊き返すと、医師は「いや、透明に見えると言った方が正しいかな」と言い直した。
「非常に珍しいことなんだけどね。眼球の色がついている部分を虹彩と言うんだけど、それが眼球の一番外側にある膜───強膜とほぼ同じ色をしていることによって、透明のように見える人だと思うよ」
医師の説明を聞いたコナンと愛梨はうつむいて考え込んだ。
(やはり、左右の瞳の色が違うってことには変わりねーのか/ないね……)
「ちょっと難しかったかな。もう少しわかりやすく説明すると……」
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わー(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます!頑張って下さい☆ (2016年6月15日 20時) (レス) id: e537cda21d (このIDを非表示/違反報告)
水羽(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年6月1日 16時) (レス) id: cf1f663820 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - めっちゃおもしろーい!!最新まってます。 (2016年5月23日 20時) (レス) id: 979ecbcb37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆなゆな(プロフ) - とっても面白いですく更新頑張ってください! (2016年5月14日 21時) (レス) id: 9e60c586da (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2016年4月19日 21時