ひとりじゃない証-No.2- 【金田一少年の事件簿】初代実写版 (ページ6)

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23話ページ6

神崎「こんな村の連中1人残らず殺してやりたいが…風祭さんよ。母さんがあんただけは殺すなと言っていたから一応見逃してやるぜ」

何様のつもりだ!

今すぐ銃を蹴り上げてついでにこいつも蹴り飛ばしたいが、銃口が向けられているのははじめちゃんや美雪たちのいる方なので下手な動きはできない。
こいつの場合、すぐに銃を撃つだろう。

他の人たちを傷つけられない…っ。

神崎「…だから最後の血祭は」

神崎はあたしを移動させながら、あたしの肩越しにスコープで兜さんに狙いを定めた。

神崎「兜礼二…あんただ!」

兜「やめろ、撃つな!許してくれぇ!!」

剣持「よせ、神崎!」

銃口を向けられた神崎さんが後ろに下がる。
そしてそれに気づいた剣持さんが神崎を止める。
だが、彼はトリガーに指を置いた。
その時───

一「ああああああ!」

はじめちゃんが叫びながら神崎さんの足に突っ込んだ。
それによって解放されたあたしが神崎から距離を取った時、神崎ははじめちゃんのお腹を蹴って距離を置くと、彼の太腿を銃でパァンッと撃った。
美雪が「きゃあ!」と銃声に耳を押さえて悲鳴を上げると同時にあたしは『はじめちゃんっ!!』と声を上げる。
警部も「金田一君!」と声を上げた。
血が流れる太腿を押さえるはじめちゃんを後ろに庇うと、

一「A…どいてろ」

『はじめちゃ…!』

前に立つあたしを押し退けてはじめちゃんはあたしを後ろに庇った。
片手であたしの手をぎゅっと握るはじめちゃんに…あたしを助けるために飛び出して来てくれたはじめちゃんに…あたしは繋がれていない方の手で口許を覆った。

はじめちゃん…!

一「こいつだけは許せねぇんだ」

神崎「なんだと？」

一「殺された館の主たちには…過去の罪があった。あんたの親子にとっちゃ、いくら殺しても飽き足りない連中だろうさ。……けど若葉は何も知らなかったんだ!!何も知らずに…あんたを愛しただけだったんだ」

はじめちゃん…。

一「あんたはその若葉の純粋な想いを…自分の醜い復讐に利用して殺したんだ!……彼女がどんな思いで自らの手を血に染めたのか…あんたわからねぇのかよ!!…殺人まで犯して、あんたとの愛を貫こうした若葉の気持ちが…あんたには伝わらなかったのかよ!!!」

思わず泣きそうになって顔を歪めた。

はじめちゃんと繋がれた手が固く握り締められて。
さっき神崎に握り締められた時より痛くて。
胸が熱くて…。

若葉の気持ちを考えると…本当に苦しくて…っ。