6話 ページ39
あたしたちはベランダから暗い部屋へと入った。
はじめちゃんを先頭に部屋へと入る。
すると前を歩いていたはじめちゃんが何かに当たって音を立てた。
美雪「『しぃっ!』」
一「しぃって言われても…!」
痛む足を押さえながらあたしたちを振り返るはじめちゃん。
すると何に当たったのか気になった美雪が箱を覗き込むと「キャア!」と悲鳴を上げてあたしの腕にしがみついてきた。
一「おま、キャァッって…!」
『静かに!』
美雪「しぃ…!」
あたしとはじめちゃんで美雪を托すと、彼女は自分の唇に人差し指を立てながらしぃっとやった。
そしてあたしの腕を引っ張って「こ、これ!」と震える手で箱を指差す。
あたしたちはそれを覗き込んだ。
はじめちゃんが当たったせいでずれた蓋をゆっくりとずらすと、中には頭がないミイラが入っていた。
美雪「首がないわっ!」
一「わあ!」
『なにこれ!?』
思わずあたしたちが声を上げて後ろに下がると、それと同時に部屋の明かりがついた。
「誰だ、そこにいるのは!」
使用人の人が入ってきて、あたしとはじめちゃんと美雪は急いで先生のいる壁際まで下がる。
すると若葉のお父さんが入ってきてあたしたちを見て「お前たち…!」と言った。
時田「何をしに来たんじゃ!」
一「なにをって言われましても…」
『えーっと…』
あたしとはじめちゃんが言おうとすると、先生がお父さんたちの前に歩いて行った。
小田切「時田さん、お願いです。若葉さんの結婚式を中止してください」
時田「なにをバカな!!」
若葉「わたしの結婚のお祝いに来てくれたのよね」
ベランダから声が聞こえて振り返ると、純白のドレスに身を包んだ若葉が出てきた。
思わずその姿に見惚れる。
うっわ…。
若葉は先生と目を合わせるとお父さんへと視線を向けた。
若葉「お父様、わたしはどこにも逃げたりしません。予定通り今夜、儀式を行います」
小田切「若葉…。本当にいいのか!?」
若葉は先生から顔をそらして「はい…」と頷いた。
無表情に全てを語る彼女に、あたしとはじめちゃんは先生と若葉の顔を見比べた。
なんか、納得できないよねぇ。
若葉「皆様、ごゆっくりとパーティを楽しんでください」
小田切「若葉…っ!」
淡々と語る彼女の顔をあたしは眉を寄せながら見つめた。
111人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さきっち(プロフ) - あさん» そうなんですか! (2019年12月7日 11時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 私は山ちゃんのが一番好きです!マンガ全巻持ってるんですが山ちゃんが一番似てる! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 3f8f946044 (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - すみません、いろいろミスして何回も送っちゃいました!申し訳ないです (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃ - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 6時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月28日 0時