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多々良「困ってることがあったら相談してよ」
そう言って翔平くんを覗き込んだ多々良を横目に私は華奈が放り投げた宿題を華奈の鞄の中につめていく。
今日は雨が降っているから、いつもより気温が低くカーディガンを着ていたので、私は袖を口許に当てながら翔平くんを横目で見た。
多々良は鋭いというか、何というか…。
翔平くんは多々良の言葉に帽子を下げながら「……どもっす!」と返した。
翔平「鎌本さんってけっこー面倒見いいっすよね」
鎌本「あ゛!?」
『華奈より向いてるんじゃない?』
多々良「ねー。世話役変わる?」
どんどん私たちと仲良くなる翔平くん。
元から吠舞羅にいたような雰囲気だ。
私と華奈は翔平くんが吠舞羅の皆と仲良くなっていくのを横目に、カウンターで出雲に宿題を教えてもらっていた。
そしてしばらくすると。
翔平「じゃ、俺は今日はこれで!」
翔平くんがそう言ったのが聞こえて振り返ると「おう」「じゃーな!」と八田ちゃんたちが挨拶をしていて私と華奈も「『またね』」と声をかけた。
翔平くんは私と華奈に笑みを浮かべながら会釈をすると「つめてー」と言いながら雨の中走って行った。
多々良「…ちょーっと心配なんだよね」
出雲「翔平がか?すっかり昔からいましたみたいになっとるけど」
多々良「うーん、そうなんだけど」
『それより問題はあっちでしょ』
宿題を終えて紅茶を飲みながら多々良と出雲の話を聞くが、それより気になることがあり私は視線を向けて2人の視線を誘導した。
私達が視線を向ける先には、ガシャンと椅子を足蹴りにして倒すさんちゃんの姿。
さん「クソッ、面白くねぇ」
八田,華奈「うるっせーよ」
そしてその背中を足蹴りにする八田ちゃんと華奈。
八田「なんなのおまえ?翔平のどこがそんな気に入らねえワケ!?」
華奈「いい子じゃない、翔平」
さん「あーーっまた!チクショー、どいつもこいつも翔平翔平って」
出雲「はいはい、そこまでな?」
出雲はそんな3人の中に入っていくと、ガシッとさんちゃんの両頬を片手で摑んでググググと上に持ち上げた。
近くで見ていた八田ちゃんと華奈が「あ」と声を出す。
出雲はバタバタと暴れるさんちゃんを引き摺りながらカウンターまで来ると、ガンッとカウンターにさんちゃんを打ち付けた。
近くにいた私はあ〜あ、といった目でさんちゃんを見る。
出雲「店の椅子蹴るなんて何事やねん」
さん「あっあ…」
出雲「ん?」
さん「あのっ」
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時