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-Aside-
尊の寝ているベッドから体を起こして、私服を着る。
白色の肩出しトップスに水色のフリルのついたスカートを着て、編み上げサンダルを履くと、私は尊がまだ寝ていることを確認して窓へと近づいた。
今日は朝から雨が降っていて、どうも気分があがらない。
憂鬱だ…。
はぁと軽くため息を吐いていると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
尊「何溜息ついてんだ」
『尊…寝てたんじゃないの?』
尊「お前が隣にいなくて目が覚めた」
ぎゅっと抱きしめてくれる腕に手を添えてその厚い胸板に寄りかかる。
空は相変わらず雨雲だ。
『今日は尊と散歩に行こうと思ったけど、この調子じゃ無理そうだね』
尊「お前、雨の日だと絶対に外出ねえな」
『いや〜気分が上がらないというか…』
尊の体温を感じながら私は目を瞑る。
まぁ、気分が上がらなくて憂鬱の時はこの腕の中にずっといたいってのもあるけどね。
その時、クイッと顎を引かれて暖かいものを唇に感じて私は思わず目を開けた。
『ん…っ』
見えたのは目を瞑っている尊の顔と視界の端に移る赤い髪で。
あたしは尊の腕の中で体を回転すると彼の背中に腕を回してぎゅっと服を摑んだ。
リップ音を立てて離された唇に、私が恥ずかしくて尊の胸に顔を埋めると、ポンポンと頭を優しく撫でられる。
恥ずかしいけど、もっとやって欲しくて…。
顔を上げてもう一度とねだると、尊は優しい笑みを浮かべて私の唇にキスをした。
『んっ…ふっ…』
深く口付けられて息が続かなくなる。
私は息苦しくて彼の背中をバシバシと叩くと、彼はニヤリと不適に笑って私の後頭部を押さえつけた。
『ん!?』
さらに深くなる口付け。
尊の熱い舌が口内で暴れる。
こいつ…苦しいって言ってるのに…!!
『ぷはっ……尊!!』
やっと唇が離れて思い切り息を吸うと私は生理的に浮かんだ涙もそのままにキッと彼を睨みつけた。
そんな私に尊はフッと馬鹿にしたように笑う。
尊「いい加減慣れろよ」
『無理だから。これだけは一生無理だから!』
尊「なら一生かけて慣らすしかねぇな」
『な!?』
尊の言葉に私は顔を真っ赤に染めた。
は…恥ずかしい事をさらりと〜!!
ポカポカと尊の胸を叩いていると、ガチャッと部屋のドアが開いた。
アンナ「ミコト…サヤカ…」
『アンナ!どうしたの?』
尊から離れて見ると、アンナが部屋に入って来ていた。
手には皿があり、その上にはケーキが乗っている。
アンナはそれを差し出した。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時