【名探偵コナン】 双子は美少女で名探偵と怪盗!? から紅の恋歌

19話 ページ19

蘭「う、うん」

和葉の後をついていこうとした蘭は、コナンと愛梨が残っているのに気付いた。

蘭「さぁ、2人も行くよ」

コナン「え、でも……」

蘭「もう離れたらダメよ」

愛梨「……はーい」

仕方なく蘭についていく二人に、

平次「じゃあな、コナン君!愛梨ちゃん!」

平次はニヤニヤ笑いながら手を振った。
そして和葉たちが遠ざかっていくのを見届けると、

平次「警察に爆破予告が来とったってホンマか？」

大滝「これが警察に届いた例のメールや」

大滝は上着の内ポケットから折りたたんだ紙を取り出して、平次に手渡した。
紙を広げた平次は、短い予告文の下に印刷されたかるた札の画像に目を見張った。

平次「かるた札が添付されとったんか？」

大滝「今回のかるた番組の収録と何か関係があるかもしれんのやが……日売テレビはあの有り様や」

大滝は黒煙を噴き上げるテレビ局を振り返った。
平次も見上げる。

平次「現場検証するんは、しばらく時間がかかりそうやな」

大滝「ああ……」

大滝がうなずくと、平次は再びプリントアウトした紙に目を落とした。
《日売テレビを爆破する!!》とだけ書かれた予告文と、かるた札の二つの画像───。

平次「犯人の狙いは一体何なんや……」





浪速警察病院には大量のパトカーと救急車が停まり、未来子をはじめ爆発でケガを負った人たちが運び込まれた。
コナンたちは診察室の前の椅子に座って、未来子の診察が終わるのを待っていた。
すると、一番端の診察室の扉が開いて、額にガーゼを当てた阿知波が出て来た。
秘書とボディーがーと、そして洋服に着替えた紅葉が歩み寄る。

「会長、いかがでしたか」

阿知波「ああ、何ともない、単なるかすり傷や」

「よかった……」と胸をなで下ろす秘書の横で、紅葉は沈んだ顔でつぶやいた。

紅葉「大会直前にこんな事件に巻き込まれるなんて……」

阿知波は「ああ……思いもよらんことや」とうつむいた。

阿知波「これで長年続いた皐月杯も中止せなあかんかもしれんなァ……」

紅葉「そんなんあきません!!」

紅葉が声を張り上げた。
その声の大きさに、蘭たちも何事かと目を向ける。

紅葉「こういうときやからこそ、皐月会健在をアピールすべきやと思います!」

きっぱりと言う紅葉に、阿知波は困惑した表情を見せた。

阿知波「だが……決勝戦で使用される皐月会のかるたは燃えてしまったからな……」

紅葉「そのことやったら心配いりません。かるたは無事です」

阿知波「な!!」

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