20話 ページ20
阿知波は目を見開いた。
阿知波「何やて!?そ、そらどういう……」
「避難する際、枚本さんが持ち出してくれたんですよ」
秘書が答えた。
阿知波「み、未来子君が……」
紅葉「かるたが燃えてしもたならともかく、無事やったんですから……」
阿知波「ホンマか!?ホンマに皐月会のかるたは無事やったんか!?」
阿知波はいきなり紅葉の両肩をつかんで揺さぶった。
紅葉「そ、損傷がないか確かめる為、博物館の職員が持っていかはりました……」
紅葉が戸惑いながら答えると、秘書が「会長」と阿知波を制するように一歩前に出た。
「かるたはもう大丈夫です、ご安心ください」
阿知波「あ、ああ……もうあかんかと思ったがよかったわ……」
よろよろと後ろに下がった阿知波は、下がったメガネを直した。
阿知波「で、皐月会のかるたを救ってくれた未来子君は……？」
「命に別状はないと聞いていますが」
紅葉「まだ診察中みたいで……」
秘書と紅葉がそろって診察室を振り返り、阿知波たちを見ていた蘭はさりげなく視線を外した。
蘭「……未来子ちゃん、遅いね」
和葉「応急処置するだけやって、お医者さんは言うてたけど……」
そのとき、診察室の扉が開いて未来子が出てきた。
和葉「未来子!」
椅子から立ち上がった和葉は、未来子の右腕が三角巾で吊られているのに気づいた。
和葉「その腕、もしかして……」
未来子「うん……折れてしもてるみたいや。バチが当たったんやわ」
右腕を見せる未来子に、和葉は「そんな……」と声を震わせた。
未来子「かるた取りに戻って、和葉や服部君を危ない目に遭わせて……」
和葉「何言うてんの!」
落ち込む未来子を慰めようとすると、阿知波が歩み寄ってきた。
阿知波「ありがとう、未来子君、君は皐月会の顔ともいうべきかるたを救ってくれた……会を代表する者して、感謝の気持ちはとても言い尽くせんなぁ」
未来子「でも会長、これでは皐月杯に出られへん……」
悔し気に唇を噛む未来子に、阿知波は「ああ」と残念そうに頷いた。
阿知波「君ほどの実力者が参加できひんのは、皐月会にとって非常に残念なことやが……今はケガを治すことに専念すべきやないかな」
和葉「そやで!大会は来年もあるんやろ？」
明るく励ます和葉に、未来子は「それやったらあかんねん」と首を横に振った。
和葉「え？」
未来子「今度の皐月杯でええ成績上げんと、いよいよ廃部になってまうんや、私の代でかるた部を潰すわけにはいかんのに……」
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マロン - 立て続けのコメント失礼します！から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか？二回目ですけど応援してます！頑張ってください！！ (2019年9月21日 20時) (
レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます！(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます！瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ！」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) ｲｼﾞｲｼﾞこれからも応援してます！ (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年9月2日 17時
