21話 ページ21
と後ろ向いてうつむく未来子に、和葉や阿知波は声を掛けられずにいた。
すると、二人の警官が近づいてきた。
「会長、警察の方がお待ちです!そろそろ……」
阿知波「ああ」
秘書の言葉に、阿知波は未来子を気に掛けながらも警官の方へ歩いていった。
和葉「元気出し、未来子」
和葉は未来子の背中に声をかけた。
「そやかて……」と未来子が涙声で呟く。
和葉「確かに未来子とアタシ以外、まともにかるたできる部員おらんかったしな……」
和葉の言葉に、未来子が「!!」と目を見開いた。
そして突然振り返り、和葉の肩をガバッと摑む。
未来子「そうや和葉!アンタが出て!あたしの代わりに改方学園代表として!!」
和葉「えぇ!?」
ビックリする和葉の背後で、蘭や紅葉も目を見張る。
和葉「そんなん急に言われても……」
蘭「和葉ちゃん、大会に出たことあるの?」
蘭に訊かれて和葉が「ないない」と手を振ると、未来子は和葉の肩をつかむ手に力を込めた。
未来子「けど、いつも練習つきおうてくれてたやろ?」
和葉「う、うん」
未来子「和葉やったら体力はバッチリやし、反射神経もある、負けん気も強いし、どんな相手にも物怖じせん!あと、妙な図々しさもあるやんか!」
和葉「何か褒められてる気ぃせんのやけど……」
前のめりになる未来子に、和葉は苦笑いした。
蘭「その大会っていつからあるの?」
和葉「それが明後日からやねん」
蘭は「ええっ!」と目を丸くした。
未来子「大丈夫!これから特訓すれば和葉なら何とかなる!」
未来子が和葉の両肩をガッチリとつかんで意気込んでいると、
紅葉「アハハハハ!」
突然、近くで話を聞いていた紅葉が声を上げて笑った。
紅葉「素人が大会に出て優勝を狙わはるん?いっそのこと百人一首やのうて、いろはがるたに変えてもらいましょか?」
嘲笑う紅葉に、未来子はカチンと来た。
未来子「バカにせんといて!和葉の技量はいつも練習してるウチが一番ようわかってる!試合経験はないけど、間違いなくA級並みの腕前やで!!」
紅葉は「へぇ……」と品定めするような目で和葉を見た。
紅葉「この子がそうなん?いうたら、平次君と一緒にいてはりましたけど、一体どないな関係なんやろ」
和葉「!!」
不躾な視線と平次の名前を出された和葉は、メラメラと対抗心が湧き上がった。
和葉「ちっちゃい頃からずっと一緒で、平次はアタシの───」
と言いかけて、和葉は顔を赤らめた。
和葉「……アタシの……」
歩美「大好きなんだよね」
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マロン - 立て続けのコメント失礼します!から紅の恋歌のあとは紅の修学旅行書いて欲しいんですけどいいですか?二回目ですけど応援してます!頑張ってください!! (2019年9月21日 20時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - マロンさん» ありがとうございます!(泣) (2019年9月8日 2時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 夜にすみませんいつも楽しんで読ませてもらってます!瞳の中の暗殺者の「大切だからだよ!」ってセリフのところ、夢主ちゃん(愛梨ちゃん)かっこよすぎじゃん、えマジでかっけーってなって家族に変な目で見られましたρ(тωт`) イジイジこれからも応援してます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 81eb5f8e4a (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 夢小説なので。ここでは夢主ちゃんが主人公なので新一くんの言葉をとるときはあります (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 愁さん» 新一くんは夢主ちゃんと付き合っているんですよ。蘭は新一より夢主の方が好きという設定です。一応設定に書いてありますけど (2019年2月7日 20時) (レス) id: 8c299fa2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2018年9月2日 17時