36話 ページ37
「「「ええ……っ!」」」
子どもたちと冬馬は驚いて思わず足を止めた。
コナンと愛梨と灰原はどんどん歩いていく。
愛梨「後は宝石を手にして高飛びすればいい」
哀「すでに密航の手はずも済ませてるでしょうね」
灰原の言葉に、コナンが「ああ……」とうなずく。
そのとき、
元太「どうした、冬馬?」
元太の声がして、コナンと愛梨と灰原は足を止めて振り返った。
歩美「疲れたの?」
歩美が訊くと、冬馬は首を横に振った。
歩美「コナン君と愛梨ちゃんの話、何か引っかかった?」
冬馬「うん……何か違うような……何だろう……」
と考え込む冬馬を見て、コナンと愛梨は顔を見合わせたが愛梨が「悪いけど……」と切り出した。
愛梨「今は急ぐしかない。山尾さんは冬馬くんを襲ったことで時間を取られて、まだダムに爆弾を仕掛けてはないと思う」
哀「その前には、職員がいたものね」
灰原の言葉に、コナンがうなずく。
コナン「だとすれば、まだ望みはある!」
しばらく歩くとようやく放水路の終点にたどり着いた。
横には発電所に通じる鉄はしごがあり、コナンは鉄はしごを登って部屋の中を見回した。
コナン「いいぞ、上がってこい」
愛梨を先頭に子どもたち、冬馬が上ってくる。
コナンはポケットからダムのガイドを取り出し、場所を確認した。
愛梨「どうやら、無事にダムの中に入れたみたいだね」
愛梨がコナンの方を見ながら言うとコナンはうなずいた。
光彦「全然無事じゃありませんよ……」
最後に上ってきた光彦はそう言うとバタッと床に倒れ、
元太「ヘトヘトでもう一歩も動けねえぞ……」
元太も床に座り込んで弱音を吐いた。
(だよな……)
子どもたちを見てコナンと愛梨は苦笑いをした。
冬馬の背中を押しながら上り坂の放水路をずっと歩いてきたのだから、体力の限界だろう。
コナン「おまえたちはここで冬馬さんを守っててくれ。オレと愛梨は留守番の職員たちに知らせてくる」
歩美「えー!」
歩美は不満そうだったが、
元太「了解!」
光彦「任せといてください」
元太と光彦はホッとしたようだった。
哀「私は武藤さんの作業小屋に行ってみるわ。この近くのはずだから」
灰原が自らすすんで引き受けるとコナンと愛梨は「うん」とうなずいた。
愛梨「気を付けてよ。山尾さんは先にそっちに向かったかもしれないから」
哀「わかってる」
コナン「おまえたちもすぐに隠れるんだぞ」
「「「はーい」」」
コナンと愛梨と灰原は別々の方向へ走り出した。
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さきっち(プロフ) - カノンさん» あっていますよ。小説ではそうなっているので (2016年12月10日 22時) (レス) id: f7c94deca4 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 20話のスカイツリーはベルツリーです (2016年12月10日 17時) (レス) id: bbf6c28e51 (このIDを非表示/違反報告)
榛風乃愛 - お願いなんですけど、偽名の名前って設定できるようにしてくれませんか?できなければ良いですけど (2016年8月13日 17時) (レス) id: 529c6859a3 (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - 面白いです!他の作品も楽しみにしてます! (2016年4月16日 17時) (レス) id: 2aebc9cb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2014年12月16日 20時