30話 ページ31
香織に声をかけられたコナンは「大丈夫!」と走りながら振り返って手を振った。
しかし見事に滑り、「うわっ!」と背中から落ちた。
もちろん手をつないでいた愛梨もコナン同様に滑って転んだ。
愛梨「ふぎゃっ!」
……変な奇声を上げながら。
inロッジ
「ちょっとあんた、開けちゃったのかね」
「え、ダメだった?」
「いかんに決まってるがね。指紋とか足跡とか調べに来るよ」
二人が話している間に、コナンと愛梨はすばやく移動して氷川が宿泊していた部屋に入った。
「えーうそ!私、疑われちゃう!」
清掃係が慌ててドアを閉めると、コナンは手袋をはめてクローゼットを開けた。
中には氷川の部屋着のジャケットがかかったままになっていて、横ポケットを探ると手帳が入っていた。
コナン「A、ちょっと」
愛梨「何?……手帳?」
コナンは手帳を取り出し、愛梨を呼ぶとカーテンの隙間から入ってくる日差しを頼りに手帳をめくっていった。
すると、例の印刷紙がはさみ込まれていた。
コナン「これだ」
山尾のひき逃げ死亡事故の記事が印刷されている四つ折りの面を開くと───内側には宝石店強盗殺人事件の記事が印刷されていた。
愛梨「宝石店強盗……?」
【15日夜11頃、東京都新宿区矢追町の宝石店に何者かが押し入り、残業中の美鈴瑛子社長(51歳)を鋭利な刃物で殺害。時価10億円相当の宝石類を奪って、逃走した模様───】
愛梨「この事件って……確か私達が小学校三年くらいのときに起きて、犯人はまだ捕まってなかったんじゃ……」
コナン「ああ。だけど何でこんな記事を氷川さん……」
改めて記事に目を向けたコナンと愛梨は、その日付を見てハッとした。
愛梨「この日付って…」
コナンが表側の面を裏返し、山尾の事件の記事を読む。
コナン「やっぱりそうだ。山尾さんのひき逃げ事故の前の晩だ!そういえば、あのとき……」
コナンと愛梨はロッジで氷川がこの記事を見せたときのことを思い浮かべた。
氷川の横に座っていた山尾は、氷川が印刷紙の外側の面を開いて小五郎たち一同に見せたとき、それを見て顔をしかめたのだ。
そのとき、山尾に見えたのは、ひき逃げ事故の記事ではなく、裏側に印刷された宝石店強盗の記事のはずだ。
コナンと愛梨は宝石店強盗の記事をじっと見つめた。
(もしかしたら……)
そのとき、愛梨の携帯電話が鳴った。
記念式典が行われるキャンプ場にいる灰原からの着信だった。
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さきっち(プロフ) - カノンさん» あっていますよ。小説ではそうなっているので (2016年12月10日 22時) (レス) id: f7c94deca4 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 20話のスカイツリーはベルツリーです (2016年12月10日 17時) (レス) id: bbf6c28e51 (このIDを非表示/違反報告)
榛風乃愛 - お願いなんですけど、偽名の名前って設定できるようにしてくれませんか?できなければ良いですけど (2016年8月13日 17時) (レス) id: 529c6859a3 (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - 面白いです!他の作品も楽しみにしてます! (2016年4月16日 17時) (レス) id: 2aebc9cb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2014年12月16日 20時