29話 ページ30
コナン「こんにちはー!」
コナンが声をかけると、香織はきょとんとした顔でコナンと愛梨を見た。
愛梨「お姉さん、冬馬くんの同級生の人だよね？冬馬くんに会いに来たの？」
香織「ええ……見せたいものがあったんだけど、留守みたいで……」
コナン「見せたいものって？なになに？」
コナンが子どもっぽくたずねると、香織はちょっと考えて縁側に座り、バッグから封筒を取り出した。
封筒の中には古い写真と折りたたまれた画用紙が入っていた。
愛梨「へえー。これ、8年前の写真だね」
香織「ちょうど、今の君達くらいかな」
写真には分校の校舎をバックに、小柄な冬馬を囲んで香織と立原家を訪れた同級生たちが笑顔で映っていた。
コナン「あれ？この双眼鏡……」
コナンは写真の冬馬が首から双眼鏡を下げているのに気づいた。
コナン「ここ、学校だよね。学校に行くときも下げてたの？」
香織「そう。冬馬君のトレードマークだから。外に出るときはいつもね」
(ってことは……必ずしも白鳥を見に行ったとは限らないんだ…)
コナンは封筒の中に写真をしまい、折りたたんだ画用紙を開いた。
横から愛梨がそれを覗く。
そこには、クレヨンで犬の絵が描かれていた。
『クロ』と書いてある。
香織「あ、そっちは冬馬君が私にくれたの。本当にクロのことかわいがってたのよね……」
香織が言うとおり、その絵は稚拙だがクロへの愛情にあふれているのが一目見てわかった。
香織「その絵と写真を見せて、冬馬君と話をしようと思ったんだけど……よけい苦しめちゃうかな……」
コナンと愛梨は香織の気遣いに微笑むとコナンは画用紙を元のようにたたんで封筒の中にしまおうとした。
そのときふと、ロッジで氷川が折りたたんだ新聞記事を見せたときのことを思い出した。
(あのとき、氷川さんは4つ折りにした印刷紙の外側を開いてみんなに見せた……)
コナンはもう一度、内側にたたまれたクロの絵を開いてみた。
愛梨はコナンの行動に首を傾げる。
(なんかわかったのかな…？)
(だけど、普通は汚れるのを防ぐために、印刷面を内側にたたむんじゃないか……？)
香織「その絵がどうかしたの？」
コナン「ううん、何でもないよ!これ見せてくれてありがとう!」
コナンは急いでクロの絵をたたみ直すと、封筒ごと香織に渡し、愛梨の手を掴みロッジに向かって駆け出した。
香織「走ると転ぶわよー!」
(さっきも聞いたな…その言葉…)
二度目の言葉に愛梨が苦笑いをする。
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さきっち(プロフ) - カノンさん» あっていますよ。小説ではそうなっているので (2016年12月10日 22時) (
レス) id: f7c94deca4 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - ２０話のスカイツリーはベルツリーです (2016年12月10日 17時) (レス) id: bbf6c28e51 (このIDを非表示/違反報告)
榛風乃愛 - お願いなんですけど、偽名の名前って設定できるようにしてくれませんか？できなければ良いですけど (2016年8月13日 17時) (レス) id: 529c6859a3 (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - 面白いです！他の作品も楽しみにしてます！ (2016年4月16日 17時) (レス) id: 2aebc9cb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2014年12月16日 20時
