27話 ページ28
阿笠博士の言葉に、灰原は「まるで、私たちの逆ね」とコナンと愛梨にささやいた。
泣き続ける冬馬を冬美は黙って抱きしめ、コナンたちはかける言葉を見つけられず、ただ黙った見守るしかなかった。
いつの間にか夜が明け、ふと空を見上げた歩美が「あっ」と声を上げた
歩美「見て!雪がキラキラと光ってる!」
コナンたちも顔を上げると───朝日の光の中で空気がキラキラと輝いていた。
阿笠「ほお……これは雪ではなくて───」
阿笠博士が言うと、灰原が、「ダイヤモンドダストね」と微笑んだ。
元太「ダイヤモンド!?お宝が降ってくるのか!?」
と元太が目を輝かせる
コナン「違うよ。大気中の水蒸気が寒さで凍って、小さな氷の結晶になる現象だ」
コナンが説明すると、子どもたちはしゃがんで泣き続ける冬馬に駆け寄り、その肩に手をかけた。
歩美「ほら、冬馬君も見て!」
光彦「きれいですよ!」
冬馬は「え……」と顔を上げた。
朝日の中でも氷の結晶がキラキラと輝く幻想的な光景を目の当たりにした冬馬は「あぁ……」ゆっくり立ち上がった。
冬美もその美しさに表情をやわらげる。
元太「すげえだろ。お宝だぜ」
じっとダイヤモンドダストを見つめる冬馬に、元太が笑いかけた。
すると突然、冬馬の表情がフッと変わり、拳をギュッと握りしめた。
冬美「冬馬?」
雪の上にひざまずいた冬馬は頭を抱え込み「う……う……」と苦しそうにうめいた。
冬美「どうしたの!?大丈夫、冬馬!?」
冬美が冬馬の肩に手をかける。
灰原は「記憶が……」とコナンと愛梨にささやいた。
冬馬「……何だろう……前にこの光……」
頭を抱えた冬馬はつぶやくと、「ダメだ……思い出せない!」と頭を横に振った。
歩美「冬馬君!」
光彦「冬馬さん!」
元太「冬馬!」
冬馬「思い出せない……」
苦しそうにつぶやく冬馬を、建物の陰から黒い影がじっと見つめていた───。
ロッジに戻ったコナンたちは小五郎と合流し、食堂で朝食を食べた。
小五郎「おばちゃん、お代わり!」
一人もりもりとご飯を食べていた小五郎は、給仕の女性に茶碗を差し出す。
園子「……おじ様、朝から食欲旺盛ね」
園子があきれた顔で小五郎を見ると、隣に座っていた蘭が箸を置いた。
蘭「冬馬君、せっかく元気になったのにな……」
愛梨の隣に座っていた灰原が「ねえ」とコナンと愛梨に話しかける。
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さきっち(プロフ) - カノンさん» あっていますよ。小説ではそうなっているので (2016年12月10日 22時) (レス) id: f7c94deca4 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 20話のスカイツリーはベルツリーです (2016年12月10日 17時) (レス) id: bbf6c28e51 (このIDを非表示/違反報告)
榛風乃愛 - お願いなんですけど、偽名の名前って設定できるようにしてくれませんか?できなければ良いですけど (2016年8月13日 17時) (レス) id: 529c6859a3 (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - 更新お願いします(≧ω≦) (2016年5月1日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - 面白いです!他の作品も楽しみにしてます! (2016年4月16日 17時) (レス) id: 2aebc9cb9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2014年12月16日 20時