独眼竜と右目 ページ5
「HA!今日も来たぜ」
店内に聞きなれた声が響く。
朝一番に訪れた客に目を向けた又兵衛の目の色が変わった。
「伊達ぇ政宗ぇええ!!」
「わあああ、またべ落ち着いてよ!毎日それやるつもり!?」
今にも伊達に掴みかかりそうな又兵衛を太兵衛が必死に抑える。
するとそれを見た伊達が
「相変わらずCafeだってのに騒がしい場所だなぁ?Hey太兵衛、いつものtea頼むぜ。」
「はぁい!小十郎さんもいつものコーヒーですか?」
伊達の注文を受け取った太兵衛はその隣にいる片倉小十郎に問いかける。
「ん、あぁ…頼む。」
「分かりました、少々お待ちくださいね!!またべほら行くよ」
「っちぃ…」
やたら大きく舌打ちをする又兵衛を、半ば強引にカウンターへと連れていく太兵衛。連れていく途中、
「好きな席へどうぞ…といっても、きっといつもの場所でしょ?」
と言いながら客を席へ案内するのだから、なかなかの接客スキルである。
ちなみに、先程から「いつもの」という言葉が多用されているが、ここで説明をしよう。
伊達のいつものは、ここに来る度に飲んでいるカンヤム・カンニャムのストレートティー。
片倉小十郎のいつものは、マンデリンのブラック。
いつもの場所はカウンター席だ。
「はい、どうぞ〜こっちが政宗さん、こっちが小十郎さんね。」
コーヒーと紅茶のいい香りが広がる。
伊達は目を瞑りながら、片倉は新聞を広げながら、紅茶とコーヒーをそれぞれ口に運ぶ。
「delicious…やっぱり淹れるのはprofessional並だな、太兵衛。」
笑いながら太兵衛を称える言葉を言う伊達に、太兵衛は「そんなことないよ〜」とまんざらでもなさそうに答える。
「ところでお前さんたち、最近会社の方はどうなんだ?」
官兵衛がコーヒー豆を蒸らしながら尋ねる。
「…んまぁ、ぼちぼちだな…悪くもねえが良くもねぇ。」
片倉が苦々しく言った。
「キヒヒッほれ見たことかぁ。俺様をクビにしたからですよぉ?俺様がいないからぁ、書類作成したりレポート書く人材がいないんだよぉ。」
又兵衛はそう言って愉快そうに笑う。
…まぁ、それを見た太兵衛は
(それって、またべ以外の人でも出来る仕事だと思うけどなあ…)と思ったのだが。
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ごんた(プロフ) - 重孝さん» ご意見ありがとうございます。参考にさせていただきます! (2016年8月19日 20時) (レス) id: c11001e149 (このIDを非表示/違反報告)
重孝 - 最近の癒しになってます!この小説!太兵衞くんが今日も可愛い…いらぬ提案ですが、光姫を出してはいかがでしょうか?官兵衛さんの正室ですし、色々とおいしい立場のひとなんですけど… (2016年8月16日 0時) (レス) id: 648095acae (このIDを非表示/違反報告)
天ノ狩 ごんた(プロフ) - ソプラノさん» すみませんありがとうございます!細々と頑張ります! (2016年1月24日 15時) (レス) id: 91e2e026a4 (このIDを非表示/違反報告)
ソプラノ - ほのぼのしてて良いですね!好きです 続き、気長に待っています(^v^) (2015年12月16日 21時) (レス) id: 80a1266e1c (このIDを非表示/違反報告)
天ノ狩 ごんた(プロフ) - 重孝さん» そう言っていただけると嬉しいです!Google先生に習った甲斐がありました(笑) (2015年10月24日 16時) (レス) id: c11001e149 (このIDを非表示/違反報告)
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