【またまた番外】天使は羽を広げる ページ44
はじめて会った時は、天使みたいだと思った
小さくて、儚くて
よく知った背中は小さくて、羽を隠しているんだって本気で信じてた
それで、俺は
守ってあげよう、って決心したんだ
*
「ピコ、ほんとに帰っちゃうん…?」
「あはは、もともと臨時やったからね。楽しかったで赤飯、ありがとうな」
「うぅう〜…」
ピコになきつく俺、赤飯。
いる場所は新幹線のホーム。
急に呼び出しがかかったピコは、予定を切り上げて早めに帰ることになった。
ピコは仕事の手際がよく、あっちでもかなり評価されているらしい。
「…あんなにちっちゃかったのになぁ…時の流れは恐ろしいわ」
「あー、ちっちゃい言わんといて。失礼やで」
ピコはそう言いながらもクスクス笑う。
であったときのような、小さくて、おどおどしているピコは面影すらない。
俺は、ピコの手をぎゅーっと握って。
「絶対また来てな!またハンバーグ、作るからな!」
「ふふ、嬉しいなぁ。わかった、長期休み貰えたら、必ず来る」
頷く俺に、ピコはふっと笑う。
「やりたいこと、あんねん。やっと実力認めてもらえるようになったんや、こうなったらいけるとこまでいったる」
「ぴ、ピコ…」
その頼もしい言葉に、ほろりと涙がこぼれそうになった。
ピコはそんな俺を見て、ぎくりとした表情。
確かにこんな場所で大の男が泣いたら目立つことこの上ないだろう。
「頑張りいや、応援してるで、ピコ」
「…赤飯のその言葉が、やっぱ一番きくわ。本当に色々、ありがとう」
そう言って微笑んだ君は、やっぱり天使のようだった。
新幹線がホームに入ってくる。
別れのときが、近づく。
*
久しぶりに会ったときも、天使のようだと思った
よく知っていたはずの背中は
いつの間にか大きく大きく、なっていた
背中に隠しきれなくなったその大きな自由という羽で
これからどこへ飛び立つのだろう
そこへ一緒に行ってもいいのだろうか
もう少し、君の背中を見ていてもいいだろうか
*
「またな、赤飯」
「っ…、ああ!」
*
ああ、君が飛び立つ
再会の約束をして
大きく大きく、羽ばたくのだ
〜〜〜〜〜〜
赤ピコも色々あるんですけど秋編終わっちゃう〜〜〜今度また機会があったらエピソード出したいですね
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はる(プロフ) - 受験生ですがいつもニタニタしながら読ませてもらってます!いやー、後夜祭幸せですうふ。更新頑張ってください!応援してます! (2014年12月30日 0時) (レス) id: b5e628d4b6 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 昨日今日で1話から全部読ませていただきました!すごく面白いです!!まふくんあざと可愛い//嫁にしたいww更新頑張って下さい!楽しみにしてます!!! (2014年8月8日 17時) (レス) id: ac3cfb6034 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - ありがとーございます!ですよね?灯油さんターンになったけど、天月くんどうなったのかな?とか思いました笑わっかりました!今から行きます。ちょっと待っててください。あ、タメでいいですよ同い年なので笑 (2014年8月6日 20時) (レス) id: fd10587820 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - 夢羽さん» うわああああフラグ回収忘れてるうわあああああうわああああうわあああry すみません取り乱しました…。た、多分、「一体誰に会ってたの?」だったと思います!多分!すみません! 友希は申請してくださればどんどんオッケーします! (2014年8月6日 17時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - 初コメしたくせにうん、ずうずうしいですね。ごめんなさい。友希してもいいですかー?とか思っちゃったり、、、 そして、あの、海のところで天月くんが夢主に言った「***」は、なんだったのかなー、みたいな、、ところどころのフラグ回収忘れてますよね?(ゲス顔) (2014年8月6日 11時) (レス) id: 964f2375d3 (このIDを非表示/違反報告)
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