*414*熱いのはきっと ページ39
まっすぐな目に見つめられてたじたじだ。
私はどもりながらつっかえながらも、なんとか言葉を発する。
『す、好きな子、って』
「ずっと言ってるじゃん。Aだよ」
どくん、大きく心臓が高鳴った。
ああ、なんだか今日は、天月くんといい、灯油さんといい、そしてまふくんといい。
ドキドキしっぱなしじゃないか、情けない。
でも、…でも、だって、当然、こんなのは冗談で、
「ねぇ、冗談だと思ってる?」
『えっ…と、まふくん、冗談はもうやめ…』
「本気」
腕は触れているものの軽く体を離され、目を合わせられる。
出会った頃の鋭い目とは違う。
甘ったるくて、熱っぽい瞳。
キャラメルみたいに甘い甘い茶色の瞳が私を捉える。
「本気だよ、A」
まふくんの綺麗な形の唇が動いて、顔がカッと赤くなったのが嫌でもわかった。
熱くて、どうしようもなく心臓がうるさい。
なにか、なにか、言わなきゃ。
何か―…、
―――…ふつり、音楽がとまった。
大きくなる周りの話し声に、ハッとする。
まふくんを見上げて、おそるおそる声をかける。
『まっ、…まふくん…?』
彼の顔が、みるみる真っ赤に染まっていった。
そして、どもり気味に言う。
「ちっ、ちがっ…ご、ごめんA!あまりにAが可愛いから!かっからかっ、からっ、からかっちゅ、からかっちゃった!」
『いやごめんまふくん、多分今のまふくんのほうが可愛、』
「ああああほら!しゃむくん!しゃむくんが踊りたがってたよ!」
慌てたまふくんに背中を押されて、いつの間に少し先にいたしゃむくんのもとへ。
しゃむくんは呆気にとられたような表情で、私に少し会釈。
しゃむくんと一緒に首をかしげる。
まふくんは、取れるんじゃないかって勢いで手を振っていた。
「…い、一曲、踊ろう!Aっ」
『う、うん!』
ほぼ成り行きで、しゃむくんから差し伸べられた手。
私はその手をとって、しゃむくんを見る。
…と。
ぼんっ。
音を立てそうな勢いで、しゃむくんの顔も真っ赤に染まった。
『え!?しゃむくんまでどうしたの…!?』
「いや、えっと…A、可愛すぎて…うぅ、もーっ…」
照れ隠しのように顔を私のほうに向けないようにしながら、しゃむくんはまふくんから遠ざけるように手を引いた。
音楽はやわらかくて明るい曲。
顔が赤いのは、しゃむくんの言葉のせいじゃなくて、暑くなってきたホールのせいだ、きっと。
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はる(プロフ) - 受験生ですがいつもニタニタしながら読ませてもらってます!いやー、後夜祭幸せですうふ。更新頑張ってください!応援してます! (2014年12月30日 0時) (レス) id: b5e628d4b6 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 昨日今日で1話から全部読ませていただきました!すごく面白いです!!まふくんあざと可愛い//嫁にしたいww更新頑張って下さい!楽しみにしてます!!! (2014年8月8日 17時) (レス) id: ac3cfb6034 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - ありがとーございます!ですよね?灯油さんターンになったけど、天月くんどうなったのかな?とか思いました笑わっかりました!今から行きます。ちょっと待っててください。あ、タメでいいですよ同い年なので笑 (2014年8月6日 20時) (レス) id: fd10587820 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - 夢羽さん» うわああああフラグ回収忘れてるうわあああああうわああああうわあああry すみません取り乱しました…。た、多分、「一体誰に会ってたの?」だったと思います!多分!すみません! 友希は申請してくださればどんどんオッケーします! (2014年8月6日 17時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - 初コメしたくせにうん、ずうずうしいですね。ごめんなさい。友希してもいいですかー?とか思っちゃったり、、、 そして、あの、海のところで天月くんが夢主に言った「***」は、なんだったのかなー、みたいな、、ところどころのフラグ回収忘れてますよね?(ゲス顔) (2014年8月6日 11時) (レス) id: 964f2375d3 (このIDを非表示/違反報告)
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