*399*これがいいです ページ24
『ちょっと待ってください私こんなの―…』
「…て、…いの?」
『え?』
よく聞こえなかった。
そう思い、ユリカさんの顔を見る。
…それが、間違いだった。
「着て…くれない、の?」
『うッ』
ユリカさんはここぞとばかりに瞳を潤ませる。
小首まで傾げて。
私より少し低い背、首をかしげたせいで上目遣いに。
ちょ、ちょっと、
「私…卒業しちゃうから、最後の学園祭なんだけど、なぁ」
『うぅッ』
「今日、ずーっとずーっと楽しみにしてたんだけどなぁ、Aちゃんと一緒におめかしするの…。96ちゃんは96ちゃんで、なんか友達と準備してたみたいだしぃ」
『わ、っわかりました…!わかりましたから!』
根負けだ。
ぶんぶんと胸の前で両手を広げて左右に振り、首をこくこくと頷かせて。
ユリカさんは、ぱっと花が咲いたように笑った。
うぅ、可愛い。とてつもなく可愛い。
私が、はぁ、と嘆息したのを合図に、ユリカさんはわくわくとミニドレスを選び出す。
そして、くるりと振り向いて聞いた。
「んー…Aちゃんは、どんなのが着たい?」
『ユリカさんにおまかせしま』
「ぶっぶー。ダメダメ、きちんと自分で選ばなきゃ。私が今まであてた中で、よさげなのあった?」
『んー…』
ユリカさんの選んだものはどれもセンスがよくて、可愛かった。
どれも同じくらい素敵で、迷っちゃうなぁ。
―…そう思ったときだった。
ふと目に留まったのは、たくさんあるドレスの端っこにあった、白いミニドレス。
腰にピンク色のリボンが巻かれ、スカートはふわりと広がったバルーン。
胸元の生地はレースが全体的に張られた白のサテンだ。
袖は、肌色が薄く見えるシースルー。
『…これ、』
「ん?」
なあにー、と、私が指差したドレスに視線をやるユリカさん。
その顔が、ぱああと輝いた。
「きゃーっ!可愛い!いいじゃない、Aちゃんのイメージぴったり!」
『そ、そうですか…!?でも、着るならこれがいいなぁって』
「うんうん、いいと思うわ!よしっ、じゃあそれ貸してっ」
ユリカさんはてきぱきとそのドレスをカウンターに持って行く。
そして、それを私に渡してウィンクした。
「よし、じゃあ次行くわよ〜」
『待ってくださいユリカさん、お金―…』
「ああ、大丈夫よ、これくらい奢らせて?」
〜夢主ちゃんのドレス描きました〜(ごめんなさい)
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はる(プロフ) - 受験生ですがいつもニタニタしながら読ませてもらってます!いやー、後夜祭幸せですうふ。更新頑張ってください!応援してます! (2014年12月30日 0時) (レス) id: b5e628d4b6 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 昨日今日で1話から全部読ませていただきました!すごく面白いです!!まふくんあざと可愛い//嫁にしたいww更新頑張って下さい!楽しみにしてます!!! (2014年8月8日 17時) (レス) id: ac3cfb6034 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - ありがとーございます!ですよね?灯油さんターンになったけど、天月くんどうなったのかな?とか思いました笑わっかりました!今から行きます。ちょっと待っててください。あ、タメでいいですよ同い年なので笑 (2014年8月6日 20時) (レス) id: fd10587820 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - 夢羽さん» うわああああフラグ回収忘れてるうわあああああうわああああうわあああry すみません取り乱しました…。た、多分、「一体誰に会ってたの?」だったと思います!多分!すみません! 友希は申請してくださればどんどんオッケーします! (2014年8月6日 17時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - 初コメしたくせにうん、ずうずうしいですね。ごめんなさい。友希してもいいですかー?とか思っちゃったり、、、 そして、あの、海のところで天月くんが夢主に言った「***」は、なんだったのかなー、みたいな、、ところどころのフラグ回収忘れてますよね?(ゲス顔) (2014年8月6日 11時) (レス) id: 964f2375d3 (このIDを非表示/違反報告)
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