＊３９２＊“真実” ページ17
「…彼女の遺体に、会わせてもらえない。そこまではまあ、分かります。娘を事故にあわせた、どこの馬の骨とも分からない俺に会わせたくないと思うのは常識の範囲内だ。
けれど、俺が入院している間に彼女の家に引越しのトラックが止まっていたのを目撃した人がいました。
しかも、“彼女が死んだ”はずなのに、実質“俺が殺した”ようなもんなのに、俺の親は一円たりともお金を払っている様子は無い。むしろ、俺の入院費を何処かから貰ったような発言をしていた」
『っ…』
それは、つまり。
びすさんの彼女さんのお父さんが、びすさんの両親に口止め料として渡したお金だったのだろう。
娘は死んでいない、けれどそれをびすさんには絶対に言うなと。
そういうお金だったのだ。
「…これだけ条件がそろえば、彼女が死んでいない事実を俺に隠していることはすぐに分かりました。…そのお陰で、今も俺は、罪悪感に潰されずに、“人を殺した”という重みを背負わずに、立っていられる」
そんなの、悲しすぎる。
けれど、何もいえなかった。
喉に何かがつめられたようで、何も。
「…でも、そうですね」
びすさんが、ゆっくりと振り向いた。
「…そのときほど、自分の頭の良さを恨み、消えてしまいたいと思ったときはなかった」
『…びす、さ、』
ああ、まともに名前すら呼べない。
衝撃が、抜けない。
まるで頭を鈍器で殴られたかのように。
聞くだけでこんな衝撃なのに、体験したびすさんの心はどれだけ爛れたことだろう。
どれだけ、辛かったことだろう。
「どうですか、分かりました？」
びすさんが、また、“あの笑顔”を浮かべた。
嘲笑するような、笑顔。
笑顔でいて、笑顔じゃない、そんな表情。
「これが真実です。でも、世間的には俺は人殺しだ。
…まあ、ありがたいことに、彼女の父親が色んなところに口止めをしてくれたお陰と転校したことで、そこまで虐められたり苦労はしませんでしたがね。
――…人の世に出回っている“真実”と呼ばれるモノなんて、こんなもんですよ。それが真実かなんて当事者にしか分からない。
ときに、当事者すら自分を騙していることもある―…“真実”なんて、ロクなもんじゃない」
吐き捨てるように、今までで一番感情を表に出した口調で、びすさんは言った。
ここまで饒舌なびすさんは、きっと動揺している。
私は、ぐっと唇を噛んだ。
―――…何もできないのは、嫌だ。
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はる(プロフ) - 受験生ですがいつもニタニタしながら読ませてもらってます！いやー、後夜祭幸せですうふ。更新頑張ってください！応援してます！ (2014年12月30日 0時) (
レス) id: b5e628d4b6 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 昨日今日で1話から全部読ませていただきました！すごく面白いです！！まふくんあざと可愛い//嫁にしたいｗｗ更新頑張って下さい！楽しみにしてます！！！ (2014年8月8日 17時) (レス) id: ac3cfb6034 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - ありがとーございます！ですよね？灯油さんターンになったけど、天月くんどうなったのかな？とか思いました笑わっかりました！今から行きます。ちょっと待っててください。あ、タメでいいですよ同い年なので笑 (2014年8月6日 20時) (レス) id: fd10587820 (このIDを非表示/違反報告)
さやえんどう(プロフ) - 夢羽さん» うわああああフラグ回収忘れてるうわあああああうわああああうわあああｒｙ すみません取り乱しました…。た、多分、「一体誰に会ってたの？」だったと思います！多分！すみません！ 友希は申請してくださればどんどんオッケーします！ (2014年8月6日 17時) (レス) id: 6ce064ce99 (このIDを非表示/違反報告)
夢羽(プロフ) - 初コメしたくせにうん、ずうずうしいですね。ごめんなさい。友希してもいいですかー？とか思っちゃったり、、、 そして、あの、海のところで天月くんが夢主に言った「＊＊＊」は、なんだったのかなー、みたいな、、ところどころのフラグ回収忘れてますよね？(ゲス顔) (2014年8月6日 11時) (レス) id: 964f2375d3 (このIDを非表示/違反報告)
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