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episode2. ページ4
寝坊して遅刻しそうになったけど、朝から店長(元)に会えて、私ってもしかしてラッキーガール！？なんてニヤニヤと出勤したら、同僚兼親友のあかねに小突かれた。
「A、気持ち悪いよ……」
「あかね！だって朝から店長に会えたんだもん！幸せじゃん〜」
「あの噂の初恋の人？ そんな事よりその顔面どうにかしなよ、女なんだから」
そう言うとあかねは、手鏡をポケットから取り出して私にみせた。そこには、ほぼすっぴんの私が。
「ぎゃあ！走ってきたからほぼ落ちてる！」
「ほら、打ち合わせ始まる前に行っといで」
「うん！ありがとう！」
メイクを直して、というかほぼ最初からやり直して、私の顔面は元通り。
もちろん、打ち合わせも大成功だった。
「疲れたぁ」
朝の寝坊以外は順調に進んだ今日、私は久しぶりに定時で上がった。
「……飲みに行っちゃお」
思い立ったらすぐ行動。会社の近くにある居酒屋へと足を運んだ。
「大将〜、きたよー」
すっかり常連の私は、お店のドアを開けてすぐに大将に挨拶をする。
大将はいつも通り、おう！と返事をしてくれて、私はビールを頼む。
いつものカウンターに座ろうとした時、私は気づいた。
席がない！
いつもの席には、すでに他のお客さんが座っていて、その近くは連れと思われる人で埋まっていた。
仕方なくテーブル席の方へ行こうとしたが、私の目は違和感を逃さなかった。
見たことのある後ろ姿。思わず声をかけていた。
「店長……？」
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作者名：咲希さん | 作成日時：2020年12月22日 15時
