【実況者】君に届いてラブコール！！【TOP4】 (ページ4)

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Stage4. ページ4

私がセンターになって初めてのライブは、まさかの武道館で、チケットは即日完売だったみたい。
それもこれも、前のセンターだった子や、ファイブスターと呼ばれる圧倒的人気な子たちのおかげ。

ライブ直前の控え室、緊張で時が止まった私に、ファイブスターの1人が話しかけてきた。

「A大丈夫？」

「さゆねぇ……、大丈夫じゃないかも……」

毎回センター争いのど真ん中にいるさゆねぇこと、愛川さゆりが、私の背中をそっとさすってくれた。

「初センターで武道館は緊張するよね、グループがデカいとプレッシャーもすごいっていうか」

「それな、さゆねぇやファイブスターの子たちほんと尊敬する……。いつも大きなステージで真ん中で歌って踊ってるなんてスゴすぎる」

「今日、ホントの真ん中はAだよ？」

「やめてぇ！プレッシャーえぐい！」

「あはは、そこまで声出てるなら大丈夫！リハもバッチリだったし、あたしたちもそばに居るから！」

「さゆねぇ……、大好きー！！！」

私がさゆねぇに抱きつくと、衣装がシワになるよ、とか言いつつ、しっかり抱き締め返してくれた。

「でも、Aにさゆねぇって呼ばれるの変な感じ」

ステージ裏に移動したあとも、さゆねぇとは話していた。

「まだ言ってるの？さゆねぇの方が先輩なんだから当たり前じゃん！」

さゆねぇは私よりも歳下の23歳だけど、デビューしてからもう、6年くらいファイブスターとしてグループを引っ張ってくれている。

その活躍ぶりから、ファンの間では姉貴、姉さんなどと呼ばれだして、それがグループにも移って今の愛称になった。

「歳は関係ないよ！実力主義の世界だからね」

そういった時、スタッフさんからお願いします！と言われた。さあ、ライブが始まる。

「さゆねぇありがとうね！ライブ楽しも！」

今日のライブは私が主役。最後に登場するため、さゆねぇを笑顔で送り出した。

「Aって、ホント凄いなぁ……」

さゆねぇが呟いた言葉は、私には聞こえなかった。