11話 ページ11
「選考通過者発表の前に、日本代表チームの監督を紹介する」
「んえっ!?」
そう短くはないはずなのにあっという間に過ぎていった1時間。試合は3-2で円堂率いるAチームの勝利。全員が代表に選ばれるために走り、打ち、止め、力を尽くした結果だ。
しかし、もっと上手くできたのではないだろうか、あのときこうしていれば、と不安や後悔の念が胸の奥で
「私が、日本代表監督の久遠道也だ。よろしく頼む」
綴込表紙のバインダーを脇に抱え名乗った彼の左目は
「どうして、響木監督が代表監督じゃないんですか…?」
「…久遠なら、今まで以上にお前たちの力を引き出してくれる。そう判断したからだ」
我に返った円堂が響木に尋ねるとそう言い頷かれる。響木に絶大な信頼を寄せている円堂は響木が言うのなら、と納得して頷き返した。そうしている間にも久遠がバインダーを開いたので全員が固唾を呑む。
「では、代表メンバーを発表する」
まず水城。続いて鬼道。豪炎寺、基山、吹雪、風丸、木暮、綱海、土方、立向居、緑川、不動、虎丸、飛鷹、壁山、栗松。そして最後に円堂。以上の17名が、日本代表となった。
「今日からお前たちは日本代表イナズマジャパンだ。選ばれた者は、選ばれなかった者の想いを背負うのだ!」
「「「「はいっ!!」」」」
泣いて喜ぶ者、悔しさで歯を食いしばる者、想いを託す者に託される者とさまざま。響木は彼らの力強い返事に安心したように頷くと背を向け去っていった。
「いよいよ世界か」
「長かったな…これが頂上への第一歩だ…!」
「どんな相手が待っているのか、楽しみだね」
「そうだな」
『今まで以上に、頑張ろう』
「ああ!なんてったって俺たちは、日本代表だ!そして次は、絶対に世界一だ!!」
選ばれたメンバーが円陣を組み、まだ見ぬ世界に思いを馳せる。その瞳に宿る強い光は、ただ一つのものを目指していた。
「やってやろうぜ…俺たちはイナズマジャパンだ!!」
「「「「おおおっ!!!!」」」」
世界一という、栄光を。
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作者名:不二市 | 作成日時:2018年7月6日 15時