【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス IV (ページ29)

今日:3 hit、昨日:36 hit、合計:322,705 hit

174話ページ29

「くっそお…もの凄いシュートだったぜ…」

「円堂さん…」

「心配すんな、究極奥義に完成なしだ!次は止める、そして勝つんだ!」

ベンチに戻ってきた円堂が悔しげに呟き、それを立向居が心配そうに見つめる。だがすぐに気を取り直して気合を入れる円堂に他のメンバーは強く頷いた。

『アフロディ君。…長いな。アフロ君?』

「それだけはやめてくれ一青さん」

アフロディ、本名は亜風炉照美なので特に間違ってはいないのだが、それでもアフロ君は字面的にあれだ。あそこだけ顔面偏差値やべえと土門が呟いた。

「ツナミブースト!!」

「アイス、ブロック!!」

後半開始。前半と同じく行き詰まる攻防が続いている。両チーム一進一退。得点板の数字は両方1。どちらが勝つのか予測できない試合だ。綱海がシュートを打ち込むもベルガが必殺技を繰り出し、凍らされ止められてしまった。

「フローズンスティール!!」

何度も打ち込まれるシュートに疲労が溜まっていく。円堂を楽にさせるために早く追加点を取らねば、と立向居がドリブルで上がっていくもまたもやゴッカのフローズンスティールによってボールが奪われた。ゴッカからアイシーへ、アイシーからドロルへと渡る。

「ザ･タワ────ッ!!」

「ウォーターベール!!」

塔子が必殺技を発動させ阻むも前半の壁山と同じように破られる。ウォーターベール、強力だ。そしてボールはガゼルへ。またもや一騎打ち。ガゼルはやはり先程正義の鉄拳を破ったノーザンインパクトを打ち込んできた。

「正義の、鉄拳っ!!」

今度こそ、と繰り出した正義の鉄拳。だがその思いも虚しく、ノーザンインパクトは再び正義の鉄拳を粉砕してゴールしてしまった。

「勝つのは、我々ダイヤモンドダストだ!!」

ハーフタイム中に何かあったのだろうか、前半よりどこか感情的なガゼルは円堂にそう言い放った。

「やっと勝ち越しかよ」

「これで決まれば良いんだけどね…」

たった2人の観客。1人は呆れたように腕を組み、もう1人は無感情にポケットに手を突っ込みながら呟いた。