【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ31)

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128話ページ31

「ここが俺たちの、大海原中だ!!」

手を広げてそう高らかに言う綱海の背後には海、の上に建った学校。木の床はしっかりしており見晴らしもとても良い。真ん中にサッカーグラウンドがあることを除けば、まるで水上コテージのようだった。まさかの造りに雷門イレブンが驚きの声を上げる。

「綺麗ー…!」

「海なんか真っ青だ!」

「ああ、これが大海原の海よ!!」

手摺に寄り掛かり海を覗き込むとごみ一つ浮いておらず、珊瑚礁が水中を彩って幻想的な世界を作り出していた。世界最大の珊瑚礁地帯グレートバリアリーフほどではないにしろ、この美しい景色が見られるのなら毎日学校に行くのが楽しいだろう。

「土方も来れば良かったのになあ…兄妹の世話があるんじゃ仕方ないけどさ!」

『ボールとか海に落としたら大変そうだ』

「ああ、風に乗ってうっかり落ちちゃいそうだよね」

『波とかもあるだろうし、放っておいたら漂流していきそう』

「海上だからこその弊害だなあ」

「そこかー」

全員が景色を楽しみながら真ん中のグラウンドに向かう。壁山はどこで貰ったのかヤシの実ジュースを持っている。水城と吹雪が全く同じ体勢で手摺に寄り掛かり海を覗き込みながら話しているのを見て、土門は心がなんとなく癒された気がしながらも突っ込んだ。

「ウチ昔から決めとったんや…新婚旅行に来るんやったら、絶っっ対こんなとこやって!覚えといてな、ダーリン!」

「ええ…?」

「もう!大海原中最高──っ!!」

水城、吹雪、土門のいる通路とは違う円形の広いスペースで、いつの間にか左耳の上にハイビスカスの花を着けたリカが一之瀬に絡む。例えとはいえ、新婚旅行で中学校に行くのはどうかと思う。いや結婚しないが。