【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス III (ページ13)

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110話ページ13

『やったね綱海君!』

「おう!やっぱ俺って天才だわ!」

『…。???』

「あれ?違ったのか?」

『ハイタッチ…のつもり、だったんだけど…』

味方の水城が綱海に駆け寄り恒例のハイタッチ。しかし何を勘違いしたのか綱海は水城が腕を軽く上げたと同時に脇に手を差し込み抱き上げてぐるぐると回った。

目を丸くし急に大人しくなった水城を見て間違いに気付いた綱海だが「まあ気にすんな!んなこたあ海の広さに比べりゃちっぽけな話だ!!」と結局ぐるぐる回り続けた。

「すげえ!ほんとすげえよ綱海!!」

「ああ!これが俺の、ツナミブーストだ!!」

困惑していた水城だったが、湊中でもしていたゴールパフォーマンスをまさかここでできるとは思わず楽しくなってきたときに円堂がやってきて讃える。すると綱海は水城を地面に下ろして、必殺技名を胸を張って答えた。

「よーし、10分休憩ーっ!!」

ゴールを補修してからまだまだ続く砂浜での練習。しばらくして円堂がそう声を上げたことにより全員がぞろぞろとベンチに戻り、マネージャーたちからタオルとドリンクを受け取る。

『なんだこれ』

水城はフィールドから離れた木陰に座り青い携帯の電源を入れ、真っ先に飛び込んできた表示に思わず呟いた。受信メール49件、不在着信45件。

水城は3日に1回の頻度で船江と連絡を取っている(他の仲間とも取るが、大体船江の携帯を使っているのでそれも少ない)。逆にそれ以外では携帯を使うことなど稀で、しかもつい昨日に電話をしたばかりだ。

『うわ…』

疑問を抱いていてもしょうがない。何かあったのだろうかとまず着信履歴を見ると全て船江紅二。いつもなら2回かけて出なかったらメールで残す船江、それがこんな数だ。不穏な空気を感じつつ受信メールボックスを開くと案の定と言うべきか、悪口雑言しかなかった。

『これは…何かあったな…』

差出人の名前は全て船江紅二。しかし送った人はそうではないのだろう、そうではないと信じたい。もう一度着信履歴を見返し、そしてその中に一つだけ違う名前があったことに気付く。鯨間大生。3年生の大柄なゴールキーパーだ。

それを見てかけ直そうとした水城だが、そこでちょうど休憩終了の声がかかった。慌てて電源を切り、ドリンクを飲み干し走ってフィールドへと向かった。