109話 ページ12
「驚いたな…もうできるようになってるよ…」
「並の運動神経じゃないわね…」
土門と秋が外から呟いたように、綱海はもうサッカーに慣れ始めていた。その証拠に先程からリカや塔子の蹴り込むシュートを
「もう一度シュートだ!」
「塔子、今度こそ決めるで!」
「ああ!」
「「バタフライドリーム!!」」
一之瀬がボールを送り受け取ったリカ。今度こそと打ち込んだバタフライドリームは止めようと出した綱海の足を避け、そして立向居の手も避けてゴールに入った。最後まで威力を失わなかった。バタフライドリームの完成である。リカと塔子は嬉しそうにハイタッチを交わした。
「ひゅうっやるなあ!」
『綱海君、今度は君の番だよ』
「!おう!」
水城と鬼道が一之瀬、リカ、塔子をいなして綱海にボールを送るも、それは全て届く前に奪われてしまう。「まだまだ、諦めねえぜ…!」と言う綱海だが、走り続けているおかげで息が切れてきている。それを後ろから見ていた立向居は何故綱海にシュートを打たせようとするのだろうと疑問を抱いていた。
『立向居君!』「っしまった!」考え事をしていたせいで打たれたシュートに水城に言われるまで気付けなかった立向居。慌てて手を出すと辛うじてゴールは防げたものの、上に弾かれる。
「ええいドリブルなんてめんどくせえ!ゴールに入れるならどっから蹴ったって同じだ!!」
そう言ってボールを見上げる綱海。その瞬間綱海にはボールがサーフィンをしているときの波と重なり、そして閃いた。高く跳んだかと思うとボールに乗り、次の瞬間地面から津波が現れる。その波に乗り、そして水を裂きながらゴールへと突き進むシュート。
「これだ!止めろ円堂!!」
驚く周りの中1人だけ、鬼道が味方のシュートなのにも関わらず敵の円堂に声を飛ばした。それを聞いて立向居は気付く。鬼道が綱海にシュートを打たせようとしていた理由を。鬼道は円堂の特訓のために、キック力の高い綱海に威力のある必殺シュートを打たせようとしていたのだ。
「パッと開かずギュッと握って、ダン…!ギュンドカーン!!っぐあ!!」
しかしその作戦はある意味失敗と言える。綱海のシュートが予想以上に速かったおかげで円堂が間に合わずゴールは決まり、ついでに即席のゴールは壊れてしまったのだ。
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作者名:不二市 | 作成日時:2018年4月9日 0時