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8話 ページ8

「備品というのは、まさかユニフォームか?」


思い当たる節があったのか鬼道がそう言った。先程の試合、水城のユニフォームだけ新品のように綺麗だった。普通ユニフォームはどれだけ洗濯しても絶対に新品のようにはならない。ましてや汚れの目立つ白地だ。新品のように、ではなく実際新品だったのだろう。


「うん、ユニフォーム以外もあるんだけどね。昨日やっと新しいのが届いたから今日は久しぶりの練習試合だったんだ」

「うちはさっき言ったとおり去年作られたばっかだから部室ボロくてさ、鍵なんかないも同然なんだ。サッカーボールは割られるし、一青ちゃんのユニフォームは破かれるし…」

「しかも、ユニフォーム破られたのフットボールフロンティア予選の決勝前日だったんだよ。そのせいでAちゃん決勝出られなくて、予選準優勝で終わっちゃったんだ。あれ以来俺たちは部室に私物を置かないようにしてる」


「酷い…」春奈は口元を両手で覆う。雷門中サッカー部の部室より少し広い木造のその室内は、二台の学校机と四脚の学校椅子、試合記録のファイルが収まった棚と人数分のロッカー、あとはボール籠と得点板以外に物は置いていない。各自の私物は本当に一つもないのだ。


「よくやるよな。サッカーのルールも碌に知らないくせに水城に突っかかるんだぜ。理由は単に気に入らないんだと。少しは事情を把握しようとしろってんだ」

「一青が媚売ってるとか、勘違いも(はなは)だしいんだよなあ。最近プレーにも支障をきたしちゃってたんだ」


雷門イレブンは水城の置かれていた状況に絶句する。間接的に自分の大好きなサッカーを否定されて悲しむ者もいた。そんな中風丸が気付いたように質問する。


「だけどいいのか?そいつらから離れても結局問題は解決していないぞ?」

「…いいんだ。一青ちゃんに少しの間でもサッカーを心から楽しんでプレーしてもらえたら」

「なあお願いだよ雷門イレブンの皆さん。ここであった嫌なことを忘れさせられるくらい、水城と楽しいサッカーをしてくれないか…!!」


懇願するように言う彼らに、円堂は「任せてくれ!!」と大きく頷き歯を見せて笑った。

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設定タグ:イナズマイレブン , 脅威の侵略者 , アニメ沿い   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:不二市 | 作成日時:2017年9月20日 9時

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