7話 ページ7
「…まずはじめに尋ねておきたいんだけど、君は…君たちは女子が男子に混じってサッカーすること、おかしいと思う?」
黄緑色の
「おかしいわけないだろ!サッカーをするのに性別なんて関係ないぜ!」
「男女の力の差などの問題はあるだろうが、それを補えるほどの実力が水城にはあるんだろう?」
彼は女子が男子に、とは言ったがそれが水城が彼らの中にと暗に言ったのは間違いないだろう。
鬼道の言うとおり、彼女には男女差を感じさせないどころか男子に勝るほどの実力を持つ。テクニック、スピード、柔軟性など、どうしても男子に負けてしまうパワーの分を補いトータルで大差をつけ勝つほどだ。
「よかった、さすが日本一のサッカーをするチームだ。…そもそもの話、一青ちゃんが僕らに混じったんじゃなくて、僕らが一青ちゃんに混じった、の方が正しいんだよ」
「どういうことだ?」
「…ここのサッカー部は一青ちゃんが去年作ったばかりなんだ。男女どちらも入部できるように頭に男子、女子を付けずに。一青ちゃんもただ楽しくできればそれで良かったのか、興味があったら入ってねって感じだった」
「それで惹かれて入部したのが俺たちってわけだ。俺は前までバスケをやってたが、グラウンドの端でボールを操るあいつを見て、もっとあのプレーを近くで見たいと思ったんだ」
「なんだか円堂君みたい」秋は呟いた。サッカー部を立ち上げ、その人柄やプレーで人が集まるところが、創部当初から円堂と一緒だった秋には同じように思えたのだろう。
「けど、そんな事情って内側にいないと分かんないでしょ?女子サッカーってそんなにメジャーじゃないから女子はマネージャーさえも全く入部してこなかったし、男子10人に女子1人なんて人聞きが悪くて好き放題言われてる」
「大半の人が応援してくれているんだが、一部、本当に一部の人が水城のことを快く思っていないんだ」
「罵られたりするだけなら一青ちゃんは大丈夫って言うんだけど、それが面白くなかったのかある女子グループがサッカー部の備品にまで手を出してきて…」
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作者名：不二市
| 作成日時：2017年9月20日 9時
