5話 ページ5
「さっきの試合凄かった!こうなんか、見ててすっげーどきどきしたんだ!俺、円堂守!よろしくな!!」
『わあ、ありがとう!あの円堂君にそう言われるなんて光栄だなあ』
監督同士の挨拶が終われば早速といった様子で円堂が先程の試合の感想を伝え、自己紹介をすると握手を求める。それに代表として返したのはキャプテンであり今回の目的である水城。嬉しそうに控えめに微笑むと、円堂の差し出した右手に右手を重ねた。円堂が見上げていることから彼より身長が高いことが分かる。豪炎寺と同じくらいだろうか、かなり高めだ。
「…あれ?」
「どうした円堂?」
「お前が水城一青だよな?」
『?そうだよ?』
「……俺たちどこかで会ったことない?」
何かと思えば、突然口説き文句じみたことを言う円堂。もちろん彼は軽はずみにそんなことを言う人ではないし、これからも言わないだろう。だからこそ突然そんなことを言いだした彼に雷門イレブンは「はあ!?」と揃って声を上げた。マネージャーの約2名は赤面している。
「こんなときに何言ってんだ円堂!?!?」
「えっ!?いやいやいや誤解だよ!!水城のこと、なんか見覚えあるんだって!!」
『うーん、円堂君のことは画面越しにしか見たことないし人違いじゃないかな…』
「そ、そっか!ごめんな変なこと訊いて!!」
『いいよ、気にしないで』
「振られたな」「だから誤解だってば!!」そんな会話をしている間に瞳子が前に出て円堂の隣に立つ。水城がそちらに目を向けた。
「水城さん」
『はい』
「私たちはエイリア学園を倒すために仲間を集めているの。貴方はチームメイトと一緒にいつも試合中継を見ていたと水面監督からお聞きしたわ。それなら現状は分かっていると思う。水城さん、エイリア学園を倒すために、私たちと一緒に来てもらえないかしら」
瞳子がそう言うと、水城は目を丸くした後考えるように俯いた。その様子を疑問に思った鬼道が「何か問題があるのか?」と尋ねる。すると水城は苦笑いしながら口を開いた。
『いや、私自身そのお誘いはすごく嬉しいし力になりたいんだけど…チームに問題かな…。うちのサッカー部は今年ようやく部活になったんだけど、人数が11人ちょうどだから、私が抜けたら練習試合もできなくなっちゃうし…』
そう言って、背後の仲間たちに目線をやった。
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作者名:不二市 | 作成日時:2017年9月20日 9時