【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ20)

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20話ページ20

「お前たちが?…ふっ、いいだろう」

雷門イレブンに視線を巡らせたデザームはそう言った。けれど反射的に言ったのだろう、円堂以外の全員が円堂を見て瞠目していた。しかしそれも束の間、全員がイプシロンを威勢よく睨み付けた。

「水城さん、貴方はベンチよ」

『うえっ』

「「「「えええっ!?!?」」」」

試合前、ベンチのそばでウォーミングアップ中。初試合ということで心を躍らせていた水城なのだが、瞳子からまさかのベンチ通告である。これには水城も他のメンバーも愕然とした。水城ももうジャージを脱いで靴紐を固く結んでいたところであったのに。

「で、でも監督!目金が怪我してるから試合に出られるのは10人しか…!」

「11人目ならいます!!」

焦る風丸に言葉を返したのは何故か春奈。何事だと視線を向けると、春奈は木暮を手で示していた。昨日散々ちょっかいを出されていた塔子は不満の声を上げる。示された本人も驚いているが。

「木暮君だってサッカー部の一員です!」そう言う春奈に「でも補欠だろ。大丈夫かよそんな奴入れて?」「下手にうろちょろされると却(かえ)って邪魔になるし…」と染岡と土門が返す。

「そんなことないです!木暮君なら大丈夫です!!だからお願いです!お願いします!!」

『…塔子ちゃん顔顔』

「だって…一青とプレーしたかったし…木暮って…」

「分かったよ、音無!!」

「キャプテン!!」

「いいですよね、監督!!」

「好きにすればいいわ」

春奈の前に出た円堂が承諾した。そして監督に許可を求めれば返ってきたのは承認。またもや愕然とする周りの中「ありがとうございます!」と音無は頭を下げ、木暮に「さあ!!」と言い寄る。それに対しサッカーボールを抱え込みながら、ぶんぶんと首を振り「いや、でも…俺…」と口ごもる木暮。

「何を怖気付いてるの!皆を見返すチャンスじゃない!」

春奈が木暮に合わせて屈む。「でも…俺、だって…でも…」そううわ言のように言ってついに俯いてしまった木暮に「大丈夫よ、木暮君なら。私、信じてるから!」と微笑む。木暮が弾かれたように顔を上げた。

「俺を、信じてる…?」

「ええ、信じてるわ!木暮君なら、きっとやってくれるって!」

信じてる。その言葉に反応した木暮を、水城は見ていた。