【イナズマイレブン】紺碧のイノセンス (ページ19)

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19話ページ19

「何度言われても答えは同じです。私たちに、戦う意志はありません」

コートの中心で影田がイプシロンのキャプテン、デザームに言い放つ。するとデザームは「ならば仕方ない」そう言って持っていた赤と黒のサッカーボールを高く掲げた。それをゼルが勢いよく蹴る。その凄まじい威力のボールは真っ直ぐと漫遊寺の校舎に向かっていき、塔を貫通すると一部が倒壊した。

その突然の出来事に、見ていることしかできなかった漫遊寺サッカー部は壊した張本人であるゼル基(もとい)イプシロンを憤慨した様子で睨み付ける。そして

「やむを得ません。その勝負、お受けいたしましょう…!!」

試合を承諾してしまったのだ。

「お許しください、一時の激情に負けた心弱き私たちを…。……遠慮はいりません!邪悪なる魂に天罰を下すのです!!」

ピ─────ッ

左掌に右拳を当てて黙祷、そして開眼。試合が始まった。雷門イレブンはそれを外から観戦する。

「なんてボール捌きだ!」

「これなら、イプシロンに勝てるかもしれないっス!」

一之瀬と壁山が感嘆の声を上げる。しかしデザームは「愚かな。6分で片付けてやる」ゴールで腕を組みながらそう言い捨てた。そこからの展開は早く、漫遊寺の必殺技、竜巻旋風に四股踏み、クンフーアタックや火炎放射、全ての必殺技を軽々といなし、ついでと言わんばかりにボールをぶつけていく。

「無念…」

次々と漫遊寺の選手が倒れる。最後の影田が倒れたとき、6分を知らせるホイッスルが鳴り響いた。0-15。完敗だ。校舎から見ていた生徒が絶句する。

「あいつら…本当に6分で決めやがった…」

「これがファーストランクチームの力…」

「ジェミニストームとは比べものにならないくらい強いでヤンス…!」

それぞれが口々に言う。ジェミニストームの強さはテレビ越しにしか知らない水城だが、それより遥かに強敵だということは理解できた。

「やれ」

「待て!!」

ボールを掲げるデザーム。それに即座に制止の声をかけたのは

「まだ、試合は終わっちゃいない!俺たちが相手だ!!」

我らがキャプテン、円堂守である。