保健委員万能説 ページ4
一桜side
「それではご武運をっす！」
ビシッと敬礼を決めて先に門の中へと消えた狐さんを見送る。
そして自分も門の中に入ろうと足を踏み出し、
「死んでよ」
唐突に酷いお願いを聞かされた。
「うおぅ！？」
飛びかかってきた少年を避けるために体勢を崩した私はそのまま門の中へ、そして少年も勢いを殺せず門の中へと入ってしまう。
やばい！この危ない感じの少年と家にいくなんて絶対に嫌だ！
最後の悪あがきとして狐さんがいじっていたパネルになんとか触れた所で私の体は完全に飲み込まれた。
ー
ーー
ーー！
「…………何処っすかここ？」
目を開いてみればそこは見知らぬ路地裏で。下町感というよりは犯罪臭のする場所だった。
まずはあの危ない少年が近くにいないことを確認し、姿が見えないことが分かるとホッと胸を撫で下ろした。
さーて、またまた迷子っぽいので道を聞けそうな人を探しますか！
やる気を出すために袖をたくし上げ、止めるものがないためずり落ちる、ということを繰り返しながら歩くこと10歩。
曲がり角を曲がったらあの少年が血まみれで倒れていた。
(！？
私はまだ何もやってないのに！？
犯人は近くにいる！？)
混乱気味の頭とは裏腹に手は勝手に少年を担ぎ上げ、足はひとりでに走り出す。
人のいるところへ、安全な場所へ、とにかく少年を運ばなければ。
それだけが私を突き動かし、そしてピンチへと叩きおとす。
”対象・少年。
場所・右、2左、ゴミ箱中”
異能「私の死体」が発動し、少年を隠せと命じてくる。
まずい、でも私が隠れなくてもいいってことはまだどうにかなる。
１つ目の曲がり角を右、そして２つ目の曲がり角を左に曲がれば捨て置かれたゴミ箱があり、その中に少年を入れて蓋をする。
臭かったらごめんなさい、と謝りつつすぐそばの建物の壁によりかかれば、近づいてくる足音が１つ。
さーて、何がくるかな？
顔の横につけていた狐面を落としていないか確認し、そして右手で作ったメガネを覗く。
ふっ、保健委員にかかればこれくらいの危機はどうってことないんだよ！
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春霖(プロフ) - 2次元大好き人間！！！さん» ありがとうございます！更新頑張らせて頂きます！ (2017年8月30日 11時) (
レス) id: 20a4380b24 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き人間！！！ - これ面白いです！！！更新頑張ってください！！！ (2017年8月30日 11時) (レス) id: 6896f5a2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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