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108話 ページ22

「雪ちゃ〜ん、どうする入っちゃう?」


片付けの途中、キャプテンである皇先輩が話しかけてきた。


「えっと…入り…たいです…」

「まじで!?やったー!お前ら!可愛い女子マネが増えたぞー!」

「しゃあああ!」

「むさくるしいこの部活にまたオアシスが!」



「ありがとう雪、入ってくれるなんて嬉しいわ」

「Aちゃんがいるから…、それにバスケって面白いって分かったから…」

「良かったわ!」


一緒にいられる時間が増えた。

そしてあの家にいる時間が減る。

嬉しい。幸せだなぁ。


「っちわーす」


あ…

この声は…


「虹村!遅いぞ!もう片付け中なんですけど!?」

「おい、虹村聞いてくれよ!女子マネ増えたんだぜ!」

「まじっすか」


彼が私を見る。

目が合う。怖い。


「雪」


手をギュッと握られる。

大丈夫。大丈夫。

Aちゃんがいるから。


「お、雪ちゃんじゃん、マネになるんだな、よろしくな」


近づいて来る。少し震える。

今まで城田さんと話していたのだろうか。

何を話していたのだろうか。


「は、はい…」

「修造、一体どこに行ってたの?」

「あー…」


修造くんは私をチラッと見てAちゃんを見た。

私がどこに行ってたのか知っているのに言ってないからだろう。


「ちょっとな」

「もうすぐ試合近いんだからちゃんと練習に参加して」

「はーい」


屋上と同じようにポケットに手を突っ込んで扉へと向かって行った。


「お前、雪ちゃんのこと知ってたのか?」

「今日屋上でAといる所見たんすよ」


そのまま体育館から出ていき、私の震えも治まった。


「大丈夫?」

「うん、Aちゃんが手を握ってくれたから」


温かくて細くて綺麗な手。

それに包まれるだけで幸せになれる。


「Aちゃんって魔法使いなの?」

「え?ふふっ、そうね雪限定の魔法使いよ」

「私限定?嬉しい!」



「何、あの楽園」

「花が飛んでるぞ」

「ま、混ざりてぇ〜!」

「可愛い娘が2人できたみたいだ…」

「お前おっさんかよ…」







帰り道___


「…」

「どうしたの?」

「…帰りたくないなって…」


あの家に帰りたくない。

何も言わず家に帰らなかった。

何されるか分からない。怖い。


「何言ってる?雪のお家はもう私の家だよ」

「え…?」

「ふふっ、実は___」



「おかえりなさいませAお嬢様、雪お嬢様」

「慎也様と凛様が談話室でお待ちです」

「ただいま、行こう雪」

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りんや(プロフ) - †閃光の舞姫† さん» コメントありがとうございます!そうなんですか!?パラフィリアはホントに良いですよ〜^^応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 683cd6e004 (このIDを非表示/違反報告)
†閃光の舞姫† - これ読んでパラフィリア気になって調べちゃいました!パラフィリアって奥が深いですね〜!更新、楽しみにしてます!ガンバです! (2017年10月3日 0時) (レス) id: 47c9036a7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんや | 作成日時:2017年8月8日 20時

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